モーニングコール、ベイビー
…iPhoneのアラームが鳴ってる。起きなきゃ。わかってるんだけど眠い。でも今起きないと絶対遅刻。3年生になったら遅刻しないって決めてるから。――そう、今日から高校3年生。
「ちょっと!ベク!起きて!」
「ん…」
「遅刻!遅刻しちゃうから!!」
やばいっっ!!!!!遅刻しちゃう!!!!!!!アラーム20個ぐらいかけてるのにっいつも最後ぐらいのアラームで気付くの。あぁ、やだやだ。
急いで顔を洗ってもう一回ベクを叩き起こす。それでも起きないから化粧し始める。って言ってもコンタクトぶち込んでラインをひくだけ。マッハで終わる。もう一回ベクを起こす。「うるせぇ!寝かせろ!」って。はぁ、寝起き悪すぎるんだから。しかもiPhone鳴ってるし、朝から誰?あ、ちゃのるじゃん。
「もしもし?おはよっ」
『あ、おなまえ?起きれた?おはよう』
「今、ベク起こしてるとこだよ」
『起きれたならいいんだ、じゃあまた後でね〜』
「はーい、ばいばーい、あいんっ」
きっと私たちが起きれないのを心配して電話くれたんだ。やっぱりちゃのるは優男だ。1年生の頃チャラチャラしてたのが嘘みたい。1年で本当に変わったなぁ。あ、やっとベクが起きた。
「ベク?学校行くよ?」
「げっ!こんな時間じゃん!起こせよ!!」
「必死に起こしたよ!でも起きないんじゃん!パボッ!」
「まじ?ごめんwじゃ、行こうぜっ」
ベクとダッシュで家の外に出てベクの自転車の後ろに乗る。ベクが「おっも!お前重い!」なんて野次を飛ばされながら学校に向かう。
「お前さ、そろそろ自転車乗る練習したら?」
「いい。学校から歩いても15分だし。」
「いつもチャニョルが送ってくれるし?」
「う、うるさい!」
ベクはこうやっていつもいつもちゃのると私の関係を冷やかしてくる。って言っても私の片思いなんだけど…。ベクったら面白がっちゃって。そうだよ、ちゃのるに片思いしてもう…1年以上経つ。顔見知りから始まってやっと親友ってポジションにたどり着けたんだもん。それだけで十分だよ。
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