「やっぱ…恥ずかしいかも…」
ソファーの上に押し倒されて、天井の電気の明るさに目を細める。
片手で自分のネクタイを緩める斗真は優しく微笑んでるのに、目は欲情の色をたたえていてコクリと息を呑んだ。
「恥ずかしがる京介さんも可愛いですけど、煽ったのはアナタですからね…」
「分かってる…んっ…」
久しぶりの斗真とのキス。無音の部屋にお互いの服が擦れ合う音と、クチュクチュと唾液の混じり合う音が興奮を煽る。
「はぁ…は…オレ、お前とのキス好きだ…ずっとしてたい…」
「もう…今日のアナタは可愛すぎですよ…これ以上煽ってどうするんですか?」
「いっぱいキスして。いっぱい…んぅっ」
長い舌が口腔を掻き回し貪るように口付ける。
舌を絡めながら「もっとして」とくぐもった声で言うと、斗真は更に深くキスをしながらオレの体を弄った。
「んっん…は、ぁんぅ…」
斗真の唇が口から首筋に移って服の中で胸の先を捏ねられる。
酔ってるせいか刺激が弱くて、強く触ってと強請るとシャツを捲られて突起に吸い付かれた。
「あっ、は…もっと強くても、っん、大丈夫…あっんぁ、はぁ…」
「厭らしい人ですね…優しいのは物足りないですか?」
「――あぁッ!」
途端に強い刺激が体の中を走り抜けた。
きゅっと強く摘ままれて、もう片方の胸の先を歯で挟まれる。
それだけで頭の中がパンクしそうなくらい気持ち良くて、女の子みたいに体を震わせることしかできない。
「煙草の匂いが強いですね…」
「は、あっあっ、すぐ…っあ、俊が―― いッ、ああっ!」
「分かってますよ…」
俊の名前は出すなと言わんばかりに痛いくらいの刺激を与えられて身悶える。
気にする事なんか微塵もないのに…。そう思う反面、斗真の嫉妬深さにゾクゾクする。もっと独占されたい、オレだけを見てほしいと強く思ったら、愛しさが溢れて止まらなくなった。
(こんなにオレの事好きでいてくれる斗真が、好きでたまんないよ…)
「ね…斗真のちょうだい」
「え…?」
体を起こし床に膝を付く。斗真をソファーの上に座らせて、コイツの股の間に顔を埋めた。
「ちょ、京介さん…!?」
ごそごそと覚束ない手でファスナーを下げ、下着の中で辛そうな斗真のを外気に晒す。
「はは、硬てぇ…んっ、ん…」
「…っ」
斗真の硬く昂ぶった自身に舌を絡めて夢中で舐めしゃぶる。
ちゅぷちゅぷと音を立ててわざと触発するように舐めると、頭の上で斗真の気持ちよさそうな吐息が零れて嬉しくなった。
「はっ…京介さん、あんまりされると…」
「んぅ…んっ、いいよ、出して…」
「っ…それじゃ、困ります」
「んっ…!?」
斗真は床に移動するとソファーを背もたれに腰を下ろし、オレの体を横にさせる。
口淫を続けるオレの肩から尻にかけて撫でるように手を滑らせ、股の間に手を伸ばしてきた。
「あ…自分で…」
斗真の手を制して自分でベルトのバックルを外す。
ファスナーを下ろした所で斗真の手が再度伸びてきて、下着の上から自身を擦られた。
「ふ…ぅ…ん、んっ…」
「やっぱり、少し酔ってるんですね」
「うるへぇ…んぅ…」
普段より硬さを持たないオレのモノに対して言っているんだろう。
確かに今日はキャパオーバーだ。じゃなきゃ絶対こんな事しない。
けど気持ちは別で、普段より倍は興奮してた。
「――んんぅ、あ…あぁっ…」
いつもなら慣らしてから埋め込まれる指も、今日はすんなり入ったらしく斗真の手の動きに合わせてぐじゃぐじゃと卑猥な音を響かせる。
刺激に体が震え、這わせていた舌が斗真の昂ぶりから離れるとクツクツと喉で笑う声が聞こえてきた。
「もう終わりにしますか?」
「あ…はぁ、や…ッあ、だって…斗真の指が、っあ、んっあ…」
「俺の指が?」
「…っう…ふぁ…も、あっあぁ、斗真ぁ…」
意地の悪い斗真を涙の向こうに見て、息も絶え絶えに縋りつく。
「京介さん、こっちに来て…」
指が引き抜かれ、言われるまま斗真の上に跨る。
首に腕を回してキスをしながら、熱の塊が窄まりに押し当てられると期待に体がビクッと跳ねた。
「あ…んぅ、はぁ…」
なかなか射れてもらえずもどかしさに腰をうねらせるオレに、斗真はぬちゃぬちゃと自身を擦りつけてきた。
「欲しいですか?」
「んんぅ…早く…ぅあ…」
「欲しいなら、自分で挿れてください…」
「うぅ…ッ」
オレの些細なプライドが邪魔をする。
それでももう待てなくて、少しずつ腰を落としていく…。
「あ…っく…ぅっ…」
ビクビクと体を震わせ斗真の熱を少しずつ飲み込むと、何とか根本まで受け入れたところで下から突き上げられた。
「――ひ、あぁッ!…やぁ、あっあっ…」
不意打ちに頭の中が白みがかる。
半分意識が飛んでるような感覚に頭を振りながら、いつもより深い所に斗真のが当たって四肢が戦慄いた。
「ほら、ちゃんと動いて」
「あっあぅ…できな…んっ、ああッ…」
「甘えてるんですか?仕方のない人ですね…っ」
言うが早いか、斗真はオレの腰を掴み抉るように揺さぶる。
内壁を擦られ体の中で上下に動く摩擦の気持ちよさに、気付けば自分から腰を動かしていた。
「ちゃんとできるじゃないですか…上手ですよ、京介さん」
「ああっ、はぁっあ、やだ、やっ…んんッ」
強すぎる刺激に腰が止まらなくて、体が痙攣をおこし背中が撓る。
でも、もっと適格な所に刺激がほしい。
羞恥も理性も綺麗さっぱり消え去ってるオレは下肢に手を伸ばし、すっかり硬さをもった自分の欲を握り込んだ。
「はぁ…アナタは本当に…厭らしくて困りますね」
「あっ…あぁ、だって…っんぅ、我慢できな…あ、あっ」
オレが自分のを扱く姿に斗真が息を呑むと、次の瞬間繋がったままの状態で仰向けにされた。
深い抜き差しに体を激しく揺さぶられ、背中のカーペットが皺を作る。
「あっあぁ、斗真、激しっ…オレ、も…はっ、ああっ」
息を吐く間もなく荒々しく腰を穿たれ、肉のぶつかり合う音が生々しく響く。
「や、もう、あ、あぁッ、やだ…イク――ああッ!」
追い上げるように抽挿を速める斗真にオレの限界も近付いて、強く奥を突かれた瞬間欲が爆ぜて散った。