アナタはQueen | ナノ




京介は「お前の思う通りにしてくれ」というオレの言葉をチャンスだと思ったんだろう。

オレの事を好きだと言った。
それはきっと本心で、京介は心の中でオレに触れる事を望んでたような気がする。
だから、あんな聞き方したんだ。

――家に、来れますか?

物凄く卑怯で、オレを良く分かってる聞き方だと思った。

京介はオレに選択肢を与えたんだ。

家に来なければ、それはそれで「当然の結果」として受け入れる。
でも、部屋に来ると決めたなら抱かれる覚悟を決めろ。

そういう意味だと思う。

もし素直に「抱きたい」と言われてたら、部屋には行かなかった。
オレのプライドの高さを利用して、京介はわざと「来れるか?」と聞いたんだ。

それに乗ったのはオレ。
オレだって自分の身が危ないと分かってて、ただ挑発に乗った訳じゃない。

少し…甘えたかったんだ。

セリカの事、愛の事…一人になると思い出して落ち込んでしまいそうだった。
けど京介は全てを知ってて、オレに好意を寄せてくれてる。
「大丈夫だ」「お前は悪くない」と、京介ならそう感じさせてくれるような気がしたから…。

決して愛情じゃない…。

それは京介も分かってるはずだ。
だからこそ、お互いに何も言わないし何も聞かない。

口に出さなければ、なあなあでも関係ができてしまう事を知っている。

きっと今のオレ達は確かめ合ったらダメなんだ。
付き合ってほしいとか、特別な関係を求められたらきっと断ってしまう。
それでもこの都合のいい関係が許されるなら、京介の傍にいたいと思った。

確かめ合わないからこそできる関係。

こんなの、ずっと続く訳ないって分かってる。

いつか関係に終わりが来る時、オレはどんな気持ちを抱いてるんだろう…。




「ん…んぅ…は…」

部屋に入るなり玄関先でキスされて体を弄られた。
舌を絡める京介の顔を虚ろな目で見ながら、感じた事のない色気に下半身が疼く。

(コイツ…)

今までこんな本気のキスを男にされた事がないからだろうか。
自然と息が上がり、京介はキスだけでオレを夢中にさせた。

「やめてと言われても、やめられませんからね…」

ベッドに連れてかれて少し構えてしまうオレに、京介はお構いなしに跨り体を撫でながら首筋に唇を落とす。

「…っう」

「細いですね…」

「は…っ…別に、細かねぇよ…っあ!」

胸の先を指の腹で擦られてピクリと体が跳ねる。
女の子に触られる感覚と全く違って、自分のそこが性感帯だと嫌でも知らされる触り方だ。

鎖骨から胸の先に向かって舌を這わせ先端に吸い付かれては、空いてる手でもう片方の尖りを捏ねられる。触り方がとにかく厭らしくて、熱い舌で舐められる刺激にぐっと唇を噛みしめた。

「――っ…んぁ…も、しつこい…」

「すみません、気持ちよさそうだったので…」

名残惜しそうにチュッと吸い上げられ小さな声を洩らしてしまう。
たかがキスと胸の刺激ですっかり形を変えて膨らんだオレの中心。
京介は撫で上げるように触っては弄ぶように握って、初めてオレに意地の悪い顔で笑った。

「ほら…やっぱり気持ちよかったんですね」

「なっ…ば、バカじゃねぇの?何言って――ぅあっ…はぁ、は…」

ゆるゆると遊ぶように動かしていた手が、ふとオレの膨らみを握り込み上下に扱き始める。
同じ男だからか触り方が適格で、ほしい所に刺激がくるのが堪らない。

(やべぇ…)

先走った体液が卑猥な音を響かせ、追い上げるように扱かれたと思えば、また焦らすように動きを落とされて自然と腰が動く。
わざとやっているんだろうが、コイツの触り方は性格と同じでじれったい。

「世莉さん、俺のも触ってください…」

「…んぅ…は…お前、硬ぇよ…」

「世莉さんのせいです…」

予想以上に硬く昂ぶった京介のソレに、そんなに興奮してるのかと少しむず痒い気持ちになった。

(オレを見て…触って興奮してんだよな…?)

握り締めた手の中で京介のがドクンドクンと脈を打っている…正直、嬉しいと思ってしまった。

「あっ…ん…はぁ…京介」

お互いに手を動かしてる内にどんどん理性は隅に追いやられて、強烈な快感に限界が近付く。

「あっあ…は、やっあっ、まっ…て…待って、出そうッ…」

「いいですよ、出してください」

「っあ、マジ、も…ぅあ、ああっ!」

京介が追い上げるように動きを速めると、途端に下肢に力がこもり震える自身から白濁が迸った。
爆ぜて散った白濁が京介の手とシーツを汚す。
慌ててテッシュで吹こうと辺りを見回した時、ふと足の間にビクリと体が跳ねるような冷たい感触がした。

「ひっ…!な、何してんの?」

「何って、慣らさないと痛いらしいので…」

涼しい顔でボトルに入ったローションを手の平に垂れ流す京介に、覚悟はしてたがごくりと息を呑む。

「お前、ソレどっから…」

「前の店でもらったんですよ。試した事がないので少し楽しみです」

「そ、そうなんだ…ハハ」

一度出したせいで急激に睡魔が襲ってくる中、京介の指やアレが入るとは到底思えなくて青ざめるのが分かる。

逃げ出したい…。
それでも逃げられない事を分かってるから、大きく息を吸い込んで覚悟を決める事にした。





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