/ファースト・デイ

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 the midnight

「ぐっすりか?」
「うん。」
 ひとり寝も出来ると聞いていたので、チビスケには客室のベッドを宛てがった。
 俺が風呂から上がってくる頃には、チビはすでに舟をこいでおり、すぐに黄瀬に抱えられて2階へと消えていった。その後、リビングでふたりビールを飲みながら取り留めもない話をしていたのだが、そろそろ日付が変わるという頃になって、俺たちもようやく2階へ上がる。
 客室の隙間を開けたままにしている扉からなかを覗いて、そして俺たちのベッドへと帰って来た黄瀬に尋ねると、黄瀬は、それはもうやさしく、柔らかい笑顔で頷いて返した。
「ふふ、かわいかったっス。」
 その顔があまりにとろけきっていて、俺はちょっと、大人げない事を分かっていながら心の奥の方がメラッと・・・ガキに嫉妬か?俺も大概だな・・。
 でも、そんなトロトロの顔をさせていいのは俺だけのはずなんだが?黄瀬クン。
「子供って、あんなかわいいもんなんスねー。いや、これはやっぱ黒子っちと桃っちの子供だからかな!やっぱそうかな!」
「んーそうなんじゃねー」
「やっぱそうか〜。俺とか青峰っちのあんくらいの頃とか、絶対もっと悪ガキだったスもんねー」
「んーー」
「ちょっと聞いてる?」
 テキトーな返事を返す俺に、黄瀬が不満そうな顔で振り向く。そうそう、そうやって俺をしっかり、ちゃんと見とけ。
「聞いてねぇな。なんたって、」
「ぇ、わっ」
「悪ガキだし?」
 黄瀬の脚に俺の脚を引っ掛けて、強引にこちらへと引き寄せる。急に密着した身体に肩を竦ませたその肩口に、唇を寄せる。風呂上がりはゆるい服装を好むこいつのこの格好は、大変剥き易い。
 逃げないように腰もガッチリホールドして、黄瀬が混乱しているうちに剥き剥き・・・タイパンツ風のズボンを下ろし、下着に手をかけ、
「って、ちょ!なななに考えてんスか!」
 チッ、意外とはやく覚醒しやがった。
「なにって、ナニ。」
「そんなお約束な返事いいからー!今日はだめっスよ、子供もいるんだし・・」
「お前が静かにしてりゃ、バレねーって。」
「そんなもんだ、ぁ・・っ」
 慣れた手付きでスルスル下着も下ろして、早速と茂みに手をかける。触れるか触れないかの距離で手を蠢かしていると、まるでもっとちゃんと触って、とでも言うようにそこが起立し、俺の手へとその存在を押し付けてきだす。
「ああほら、たってきた」
 この身体は、すでにもう俺仕様へと作り替えられてしまっているのだ。俺がそのような意図で触れれば、すぐにこうして反応をしてしまう。抗う事など、まるで無駄というように・・。
「ふ、ん、っん・・!」
「なんだ、いつもより早くねぇ?興奮してんのか?」
「ぅ、そ。うそ、うそだも・・っ」
「ひでーな、俺が嘘つきって?」
 ぐっと手のひらに力を込める。尻が一度大きく布団の中で跳ね、それがまるで絶頂を迎えたときの震えを思わせ、とても淫らだった。
「うそつきは、お前。感じて感じてどうしようもねーのも、おまえ、だ。」
 強く握ったままに裏筋を指でなぞってやる。爪先がシーツを掻いて、そして俺の爪先へと縋ってくる。
「っひ、ぁあ、あ、あおみねっち、やめて?ね?ね、ぇあっ」
「しーっ」
 涙目になって俺の腕を掴んで、やめてと促す。しかしそれに反するように、俺の足先をくすぐっては絡んでくる奴の爪先。教えてはやらないが、恥ずかしいやめてやめてと言う心のどっか奥底に、恥ずかしいもっとやっておねがい、とも言っている部分があることを、俺は知っているのだ。
 Tシャツを捲り上げ、弄らずともすっかり立ち上がった乳首を露出させる。
 布団の中、ズボンもパンツも履かず、Tシャツは首までまくり上げられている。その状態がどれだけエロいことか。声を大にして黄瀬に伝えてやりたかったが、さすがにそこまではよしてやって、変わりに胸のピンクをまじまじと観察。
「たってる」
「ん、んぁ、はふ、」
「おかしーな、まだなんもしてねーけど」
「っあ、あお、ん、み、」
 ただ、見るだけ。間近にまで顔を迫らせて、観察するだけ。そうしていると次第に、黄瀬はせつなげにもじもじしだす。柔らかに立ち上がっていた乳首も、目に見えて固さをもちだす。なんて美味そうな身体なんだ!息を吹きかけてやるだけで、大袈裟なくらい肩が揺れた。
「あぅ、は、はっあ」
 黄瀬は横に寝たまま頬を枕に擦り付けて、下肢を握ったままそれ以外に行動を起こしてくれない俺に縋るような目線を投げ掛けた。口では幾度もやめてと言ったくせに、その目は何故なにもしてくれないの?と問うている。
 暗闇でも分かる。その赤く上気した頬を枕に擦り付けては、我慢しているんだろう?疼き出す自身のあの穴を。そして願ってもいるんだ。今にもはしたなく大声で喘げるほどの、強い快感を。
 そんな状態を我慢比べのように続けていると、黄瀬の瞳がとうとう涙を漏れ出させる。陥落寸前。俺はひとつだけ、助け舟のように問うてやる事にする。
「なめてほしい?」
「・・・・」
 数瞬の迷いの後、小さな頷き。ちがうちがう、そうじゃない。
「舐めて欲しい?」
「・・うん。」
 そうだ、えらいぞ。
「触って欲しい?」
「うん。」
「吸って、擦って、ぐちゃぐちゃに?」
「うん、うんっ」
 よし、いいだろう。
「・・っあ、ぁあ!は、ぁきもち、きもちい、」
 それは良かった。
「あ、んぅおっぱ、きもちいっす、あおみねっち」
 たっぷりの唾液とともにそれをころころ転がしてやると、黄瀬は腰をひくつかせよろこんだ。爪先が悶えて大きく布団のなかを掻く。
 熱をもってきた身体が布団のなかで汗をかく。ふたりの放つ匂いが、ひどく淫靡な匂いが、今シーツのなかには籠っていた。それを嗅いでふたりはより一層欲に溺れていくのだ。
「あ、みねっちのも・・あついよ、あいつのが、俺のに当たってぇ・・!」
「ああ、あちぃ。お前に、ぶっかけてぇ・・」
 熱くギンギンに立ち上がったそれを、滑らせて黄瀬の股にさし込んだ。さすがに本格的な行為にまでは及ばない。あれは疲労がはんぱねぇし、それこそ声を我慢なんて出来る自信がねー。だから今回はこいつの太腿で我慢。だいじょぶだいじょぶ、こいつの太腿も十分具合がいい。それにスマタってのは、穴にハメんのともまた違った興奮があってこれはこれで好きだぞ、俺は。
 ズコズコと腰を動かして、黄瀬の股と太腿を蹂躙する。されるがままに身体を揺らす黄瀬も、このシチュエーションに感じきっており、それは気持ち良さげに震えていた。どうしても漏れ出てしまう声をTシャツを噛んで堪え、そしていつのまにやら自分で乳首に手をかけている。うーわ、エッロ。
 俺の動作で黄瀬のちんこはふたりの腹筋の間で上下に擦られて、だくだくと汁を垂れ流している。それでもいつもよりは弱い刺激の為、上手く射精まで辿り着けないようだが、俺のほうは遠慮なく黄瀬の太腿を使ってちんこを扱いた。
 きゅ、きゅ、と、黄瀬が快感に震える度、腿に力が入ってまるで穴の中の締め付けのように絞られる。
 これはそろそろやばそうだ、しかし先にイカされるのも癪、と黄瀬の亀頭にターッチ。
「あ!あ、っあだめ、ぁん、ん」
 ふるふる震えていた身体がひと際大きく波打って、焦ったように喘ぎ出す。急速な快感の導きに身体すら追いついて来ない。
 腰の動きを激しくして、そして俺がとうとう爆ぜる頃、少々乱暴にちんこの先を指で弄られまくった黄瀬は、細く悲鳴のようなものを上げて身体を大きく痙攣させた。
「ん、は・・っ!」
「あぁ、あっあ――っ、ぁ、」
 俺は黄瀬のせくすぃーな太腿に盛大にぶっかけたが、しかしどうやら・・・おやおや、可哀想に未だ震えから抜け出せない黄瀬は、急速すぎた強い快感に、精液を吐き出すところまでは追っ付けなかったようだ。俺と黄瀬の腹筋の間に、哀れ射精し損ねたちんこがひとり先走りに塗れて取り残されている。
 仕方ねーなー、と脂下がった自覚のある顔で、それに手を伸ばしてやる。
「ああ!いやぁ、まって、いまおれイッたの、いったから、まって・・!」
「っても、出さねーともっとツレーぞ〜」
「わか、わかってるけどっぉあん、あっま、て!」
 すっかり汗まみれになった身体が、弱々しく布団のなかで暴れる。しかしそれは、抵抗ともいえない力ないものだった。イッたばかりのこいつはいつも、こうして子鹿みたいに震えて。それがまったくどうしようもなく可愛いんだな。
「ひっん、ぁまって、まってまってきちゃ、ぅ――っ、」
 ガクン、と身体が硬直し、ピンと脚が張る。そして盛大に甘い声を漏らした黄瀬は、長い射精を腿をもじもじさせることでどうにか耐えきった。
「っはあ、ぁ、は、はっ」
 荒い息をただ繰り返すしか出来ないその額を口に含み、舐めてキスを繰り返しながら余韻に浸る。
 黄瀬の息も整った頃、腕の中でひとつ、ぽこんと胸板を叩いていじけた黄瀬は、それきり疲れたように、大きく息を吐き、そして目を瞑り。
 ゆっくりと身体の力を抜いた。


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