俺は首をかしげた。


昼休み。さあ弁当だと席を立って思い出した。俺、みんなからビビられてんだったっけ……。一応確認として、高原の席を見るとそれに気づいた高原がつまずきながら教室から飛び出した。
ああ……、いつも高原の弁当のおかずとるから今日もおにぎりしか持ってきてないのに。小さく舌打ちが漏れるとヒッという悲鳴が教室のあちこちで聞こえた。

仕方がない。今日は具無しおにぎりで我慢しよう。
席について一人寂しくおにぎりをラップから出してモグモグと静かに食べる。高原と食べてた頃、おかずがまずいと嫌がらせでクチャクチャと音を立てつつ食べたことが昨日のように思い出される。いや、昨日なんだけど。
ダメだ、友達のいない高校生活なんて絶望しかない。
ため息をついて机に突っ伏した。

そのあと、昼休みの残り時間五分のときに昼飯を誘いに来た吉村さんにカクカクシカジカで絶望してるから別れようと告げると、嫌だと泣かれてしまった。

「てか、吉村さんは俺のことセックスしたい方向で好きなんですか」

気になってたことを聞くと涙目で頷くもんだから、これはもしや俺の処女なプリケツが狙われてるっ?!と危機感を持った俺は、

「明日、その汚いケツにバイブ突っ込んでチンポおっ勃てながらひざまずいて俺の靴舐めたら付き合ってあげます」

と言い放った。これなら一時的にボッコボコに殴られはしてもプリケツが脱処女する危機は一生免れるし、もし付き合うとなっても吉村さんはケツで感じるってことだからやっぱりプリケツの処女は守られる。
一人鼻息荒くうなずく俺を吉村さんは視線だけで人を殺せそうな目付きで睨むし、クラスメイトは恐ろしい物を見るような目で見てきたが俺は動じなかった。吉村さんと数分睨み合って、吉村さんは何も言わずに教室を出ていった。
それに高笑いしつつ、さあ!もうなにも怖くないぜ!とクラスメイトを振り返ると、みんな教室の隅で肩を寄せ合い震えていた。

…………仕方がない、のか……?
俺は首をかしげた。


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