×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -






011


朝練を終えた後、レオナとラギーらジャックたちと朝食をとるために大食堂へと向かった。


「そういえばお前ら・・・・・・何であのタコ野郎と取引なんて馬鹿な真似しようと思ったんだ」


「おかげでオレの部屋が狭くなっただろうが」朝食を食べている途中で、レオナがそんなことを聞いた。夜月が契約をする羽目になった経緯を放すと「ッハ! 期末テストでアイツと契約したバカ共を自由にするために取引しただと? ハハハ! コイツはいいな。背筋が寒くなるぜ」とレオナに大笑いを去れた。「ま、アズールくんのテスト対策ノートが欲しくなるのも分からなくもないッスけど」とラギーがフォローを入れる。それくらい有名らしい。

「そういえば、2人とも今回の試験でアズールとは取引しなかったんスね」楽したがりそうなのに、と言いかけジャックは慌てて言葉を切った。「ばーか。誰が好き好んであんなインチキ野郎と何度も取引するか。毎度ロクな条件じゃねぇ」嫌そうな顔をするレオナ。「たしかに、進んで力を借りたい相手じゃないッスね」ラギーも同じような顔をする。「そもそも取引ってのは、欲しいものがある方が不利に決まってる」軽い気持ちで契約すればあの手この手でカモられるのがオチだ、と続けたレオナによって夜月の表情は暗くなった。


「早まった気がする・・・・・・」
「俺は止めたぞ」
「ごめん・・・・・・」
「話のネタに聞いてやる。どんな条件で契約したんだ?」


夜月は重たい口を開いて説明した。3日後の日没までに珊瑚の海にあるアトランティカ博物館からリエーレ王子の来館記念写真を差し出さなければ、オンボロ寮はアズールのものになり夜月もアズール下僕になる。「なんか・・・・・・ご愁傷様ッス」憐れむラギーに「勝負が始まって早々、縁起でもねぇこと言うんじゃねぇんだゾ!」とグリムが声を上げる。


「そもそも海の中じゃないスか。どうやって行くつもりなんスか?」
「水の中で呼吸ができる魔法薬をもらったので、それを使って行こうかと」
「効き目のほどは分からねぇけどな」


効き目が分からないというジャックに「アズールくんがくれたなら、効き目は間違いないとは思うッスけどね」とラギーは保証する。彼のプライド的に、効き目は保証できるらしい。「・・・・・・ふぅん」レオナが頬杖をつく。


「なら、さっさと行動を起こせばいいじゃねぇか。時は金なり、だぜ」
「そうだ、ヨヅキ! 早くアトランティカ博物館に出かけるんだゾ!」
「そうだな。たった3日しかないんだ、のんびりしてられねぇ」

ニヤリと笑ったレオナに少し引っかかる。けれど時間がないのも事実。「エースとデュースも道連れだ。いざ出発!」ジャックとグリムに引っ張られ、さっそくエースとデュースに話に大食堂を後にした。