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2年B組の教室の扉を勢いよく開け「ラギー・ブッチは何処なんだゾ!」と呼びかける。「うぃーッス。って、また君らッスか」ラギーは4人の顔を見て、面倒くさそうな顔をした。


「ラギー・ブッチ。今学園内で起こってる選手候補連続傷害事件について聞きたいことがある」
「おぉっと・・・・・・そいつぁ穏やかな話題じゃなさそーッスね」
「ちょーっと、表に出てくんない?」
「わかったッスよ。だから、乱暴な真似はやめてほしいッス」


リドルは目を吊り上げ、ケイトは笑顔だが目はまったく笑っていない。2人の圧は背後洗見ていても伝わってきた。ラギーを連れ、ひとまず廊下に出る。ラギーと対峙し、しばらく沈黙が続いた。どう話を切り出すのか先頭に立つリドルを見守っていると。


「ボクの『首をはねろオフ・ウィズ・ユアヘッド』で・・・・・・」
「あれれ〜? リドルくん。マジカルペンなしにそんな強い魔法使って大丈夫ッスか?」
「えっ? ボクのマジカルペンがない!」
「ケイト先輩のもないです!」
「うそっ! マジで!?」


いつの間にかリドルとケイトのマジカルペンが姿を消していた。「アンタら、さてはお坊ちゃん育ちッスね」ラギーはクスクスと笑う。「懐ガラガラ。隙ありすぎ。楽勝で盗れちゃったッス」ラギーの手には2人のマジカルペンが握られていた。一体いつの間に盗られていたんだ。「いつの間に魔法を使って盗んだんだ!?」驚愕するグリムに「嫌ッスねぇ。こんなの魔法を使わなくなって余裕ッスよ」とラギーは小ばかにするように笑う。


「ってわけで、こんなとこでボコボコにされちゃたまんないんで、退散させてもらうッス」


「ばいばーい」と手を振って駆けだしていくラギー。「コラー! 待つんだゾ〜!」グリムは1人でラギーを追いかけて走り出していった。「待て! 止まらないなら首をはねるぞ!」リドルはマジカルペンなしに魔法を使おうとするが「ちょっと待った、リドルくん! ブロットが抜けたばかりなんだから、ダメだって!」とケイトに止められ唇を噛んだ。「とにかく、追いかけましょう!」夜月がそういい、とにかくラギーを捕まえなければと3人も走り出した。


「あっ、エースちゃん、デュースちゃん! いいところに!」


するとちょうど目の前にエースとデュースが歩いていた。ケイトの声にこちらに目を向けた2人は、走ってくる夜月たちを見て目を丸くする。


「え、どーしたんスか? そんなに慌てて」
「連続傷害事件およびマジカルペン窃盗の犯人が逃げた! キミたち、今すぐラギー・ブッチを捕まえろ! さもなくば、おわかりだね!?」


顔を真っ赤にして怒るリドル。いつの日かの記憶がよみがえってくる。


「えぇえ!?」
「オレらとばっちりじゃん!?」
「ほら! エースとデュースも手伝って!」
「あーもう!!」


走ってきた夜月に無理やり背中を押され、2人は仕方なくラギーを捕まえるために走り出した。