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iii


学園長室から出た後も、グリムはうぅ・・・・・・と唸ってマジカルシフト大会に出たいと嘆く。3人はやれやれとした。


「仕方ないだろう、グリム。人数が足りないんだ。今年は諦めて、来年寮に新入生が来るのを待つしかない」
「うーん、誰も入らないと思うよ。イレギュラーじゃないかぎり」


夜月はそういって苦笑した。「公式試合はできないけど、そうでなければマジフトはできるんだし」公式でなければ人数は関係なく遊べるという夜月。そういって慰めるが、グリムは公式試合じゃなければチヤホヤされない、それじゃあ意味がないと駄々をこねる。「そもそも、誰とマジフトするんだゾ!」とグリムは言う。


「エースとデュースとやればいいんじゃない?」
「え、オレ?」
「僕は別に構わないが、少なすぎる上に奇数だぞ」


確かに7人で行うものを最少人数で、しかも奇数では不公平になる。「ヨヅキも人数合わせで参加するんだゾ〜!」グリムが訴えに夜月は「ええ・・・・・・運動はちょっとなあ・・・・・・」と苦笑をこぼす。「お前、運動できなさそうだしな」エースが揶揄うように言った。「体力育成の授業でも、僕たちとは別のメニューが渡されているし」デュースは授業でのことをふと思い出した。


「身体が病弱なのか?」
「そういうわけじゃないけど。このかた、運動なんて全くやったことなくて」
「え?」


エースとデュースは目を丸くして夜月を見る。「全くねえの? ガキの時に走って遊んだりとかも、まったく?」信じられないとでも言いたげなエースに夜月は頷きを見せる。「だからあまり得意じゃなくて」


「人数合わせならハーツラビュル寮に参加してもらうとか。ほら、ケイト先輩とか」


確かにケイトやトレイ辺りなら参加してくれるかもしれない、とデュースは頷く。しかし、結局公式戦に出たいグリムはずっと駄々をこね続けた。はあ、と3人はため息を落とし、夜月はグリムを抱き上げてエースとデュースとこの場を分かれ寮へと戻っていった。