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「あーくそっ、腹立つ!!」
「どんどん優等生から遠ざかってる・・・・・・」
「首輪が苦しくて重いんだゾ〜・・・・・・」
パーティから追い出された4人はトボトボ薔薇の迷路を歩いた。首輪を嵌められ魔法を封じられてしまった3人のぼやきを聞き、夜月は苦笑をこぼす。魔法が使えなくてよかった、と夜月は心の中で思う。
「その首輪の重ねづけ、イカしとるにゃぁ〜」
「うわっ!?」
すると突然、知らない声に話しかけられた。「生首お化け〜!!」グリムが涙目で叫び、夜月の腕の中に飛び込んだ。グリムの言う通り、その人は頭だけが浮いていた。「おっと、身体出すのわすれとったわ」そういうと、首から下の部分が見えるようになる。
「俺はアルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカー。猫のような、人のような魔力を持った摩訶不思議なヤツ」
「みんなチェーニャって呼ぶかねぇ」不思議な人はそういった。「オレは暴君に理不尽な目にあわされて機嫌が悪いんだよ、どっか行け」しかし機嫌の悪いエースは今あまり話したくはないらしく、冷たくチェーニャをあしらった。「リドルが暴君・・・・・・フフフ」チェーニャは含んだ笑みをこぼす。
「お知り合いなんですか?」
「知っとると言えば知っとるし、知らないと言えば知らないにゃあ」
「どっちなんだゾ」
「なあにぃ? 君ら、リドルについて知りたぁの?」
「ああ知りたいね! どうやって育てりゃあんな横暴に育つのか」むすっとした顔で言うエース。チェーニャは「あの眼鏡に聞いてみにゃあ」とエースにいった。「もしかして、トレイ先輩のこと?」眼鏡と言うと、今のところ彼しか該当する人がいない。
「あいつはリドルがちっちゃい頃からよう知っとる」
「幼馴染ってことか」
あまりそういう風には見えなかった。丁寧にリドルに話していたし、学園からの付き合いだと思っていた。そう感じていたのはデュースも同じだったようだ。チェーニャはそれだけ伝えると、こんどは全身透明になって消えた。残された4人は顔を見合わせる。
「ずっと首輪を嵌められたままじゃ、まともに授業も受けられない。クローバー先輩に話を聞いてみよう」
「謝って外してもらうなんて、ダセーから絶対やだ!」
「意外と頑固だね・・・・・・」
「ふん!」