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18


アズールやジェイドとフロイドが加わったスカラビアの特訓はすぐに終わり、あっという間に夜になった。アズールたちは夜月たちと同じ空き部屋に案内され、輪になって床に5人は座った。


「今日はご機嫌カリムだったんだゾ」
「ええ。僕が知る“いつもの”カリムさんでしたね」


グリムの言う通り、今日はおかしな様子のカリムは一切出てこなかった。「機嫌が悪い時のカリムは、もっと目を吊り上がってて怖い感じで喋ってるんだゾ」グリムの言葉に「――それは機嫌の良し悪し、なのでしょうか?」とジェイドが問いかける。「どーゆーこと?」フロイドが質問を返せば「カリムさんはフロイドのように気分の浮き沈みが激しい印象があまりないものですから」と答える。


「もっと別の要因があるような気がして」
「それについては、私もそう思います」


「マジフト大会と期末テストの寮順位がわるかったせいだって、ジャミルは言ってんだゾ」グリムの話に「え〜? ラッコちゃんってそんなの気にするの?」とフロイドが不思議そうにする。「彼はいつも朗らかで、成績が悪かったくらいで情緒不安定になるタイプには思えません」やはり原因は別にある可能性が高そうですね、とアズールは眼鏡を指で押し上げながら言った。「問題解決のためにも、カリムさんのことをもっと知る必要がありそうだ」


「ジェイド。少し――彼と“お話し”してきてもらえませんか?」
「かしこまりました。ジャミルさんは難しいかもしれませんが、カリムさんなら素直に僕と“お話し”してくれるかもしれません」


2人の間で話が進んでいく。「じゃあ、そのあいだオレはウミヘビくんに遊んでもらおっかなぁ」と言ったフロイドにアズールも頷く。「それはいい。僕も一緒にお相手していただくとしましょうか」フフフ・・・・・・と3人は意味深げに笑みを浮かべる。「コイツら、ずっと目が笑ってねぇんだゾ・・・・・・」味方にするのは心強いが、とばっちりが飛んできそうで怖い。


「んじゃあ、小エビちゃんとアザラシちゃんも行こうねぇ」
「え、わたしもですか?」
「さあ、行きますよ」

フロイドに背を押され、5人は部屋を出た。



□ ■ □



ジェイドとは別れて4人が向かった先はジャミルの部屋。ノックをして出てきたジャミルは目を見開いた後、スッと目を細めた。


「こんばんは、ジャミルさん」
「こんばんはぁ〜〜」
「邪魔するんだゾ!」
「夜分遅くにすみません」


「・・・・・・何の用だ」疑り深くジャミルが問いかける。「さきほどカリムさんにご案内していただいた宝物庫で、見たことのないボードゲームを見つけまして」アズールはそう言って、手に持ったものを見せる。「この穴の開いた木の板と宝石で遊ぶゲーム、どうやって遊ぶの?」続けてフロイドが聞いた。


「ああ、『マンカラ』か・・・・・・熱砂の国ではポピュラーなゲームだよ」
「へぇ、マンカラっていうんですね、コレ」


夜月にとっても知らないゲームだ。「ボードゲーム部の僕としては、ぜひ遊んでみたくて。一局手合わせ願えませんか?」アズールがそう言うと「オレもオレも〜。ウミヘビくんと遊びたーい、あはっ」とフロイドも遊ぶ気満々で続けた。「・・・・・・カリムも寝たし、まあいいか」ジャミルは少し考えるそぶりを見せてから頷く。


「わかったよ。子の人数じゃ俺の部屋は狭い。談話室へ行こう」


ジャミルの提案により、5人はマンカラを手にして談話室へ向かった。