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28


その日の放課後。クリスマス休暇前の最期の授業が終わり、生徒たちは大いに喜び騒いだ。


「やあ、ディーア」

「はい、セドリック」


一人で廊下を歩いていたところ、声をかけてきたのはセドリックだった。厨房の場所を教えてもらって以来、何かと気にかけてくれて話すことも多かったが、ここ最近はニコラス・フラメルについて調べるのに忙しくてあまり会わなかった。

「久しぶりね」と言えば、セドリックは笑って「最近どう?」と聞く。二人はしばらく世間話をつづけた。


「もう荷造りは済ませたかい?」

「ああ、私は帰らないの。ホグワーツに残るわ」

「え? ああ、そっか・・・・・・」


セドリックは一瞬驚くも、少しだけ事情を聞いていたためディーアの言葉に納得した。それ以上踏み込むのも悪く、セドリックは深くは聞かないようにした。


「そっか。じゃあクリスマスを楽しみにしてて」

「クリスマスを? どうして?」


そう言って首を傾げると「それはお楽しみ」と言ってセドリックはウィンクをする。彼はとてもハンサムだから、笑った顔がとても絵になる。


「じゃあまた来年。良いクリスマスを」

「ええ、あなたも良いクリスマス休暇を」


手を振ってセドリックと別れる。
セドリックと別れ、再びディーアが歩き出そうとしたとき、背後から両肩にポンと手を置かれた。


「「みーちゃった」」

「フレッド! ジョージ!」


両耳から悪戯声でささやかれ、ディーアはビクリと驚いて振り返った。背後に立っていた双子はニヤニヤした顔でこちらを見下ろしている。


「なんだディーア、あのセドリックと仲良かったのか?」

「うん。いろいろ気にかけてくれて優しくしてくれるの」

「なんだよディーア、お前もセドリックのファンなのか? あのスマイルにやられたか?」

「そんなんじゃないわ。良い友達よ」

「「ふ〜ん?」」


右から、左からとフレッドとジョージに問われる。ニヤニヤとした顔をしつつ、ちょっとムッとした顔も浮かべる。どうやらハッフルパフでありクィディッチの選手でもあるセドリックをなにかと敵意しているようだ。

「まあ良いか。ディーアも残るんだろ、ロンから聞いたぜ」話を切り替えたのはジョージだった。
「クリスマス休暇は遊び放題だ。絶対楽しいぜ」続けてフレッドが言った。


「授業も終わったし、今からパーティだ!」

「ほらほら、早く行くぞ!」

「わっ、待って!」


ハイテンションの双子に腕を引っ張られ、ディーアたちは駆け足で寮へと向かった。