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20


ハロウィーンの朝、パンプキンパイの焼く美味しそうなにおいで、みんな目を覚ました。朝食の席で、フレッドとジョージがハロウィーンの夜にはそれに沿ったごちそうが出ると言っていた。
どんなものが食べれるのだろうと、ディーアは楽しみになった。




「さあ、今日は浮遊術を実際試して見ましょう!」


小人のフリットウィックがキーキー声でそういうと、教室の中は色めきたった。魔法は論理も大事らしく、呪文だけでなく杖の振り方もその成果に関わるらしい。やっと実践に移れるのにディーアもみんなももわくわくした。

フリットウィックは二人一組になるようみんなに指示を出した。ハリーはシェーマス、ロンはハーマイオニーと。ロンとハーマイオニーの様子をちらりと伺ったが、仲は良好とは呼べず、むしろその逆だった。ディーアはネビルと組んで、隣に腰を下ろす。


「僕、出来ないよ・・・・・・」

「やってみないと分からないわ、一緒に練習しましょ」


ディーアは意気消沈のネビルを元気付けようと、杖を手に持つ。ビューン、ヒョイ、と杖を振り、ネビルもディーアの真似をして何度も杖を振った。
何度か練習をしていると「皆さん、ミス・グレンジャーがやりましたよ!」とフリットウィックが大きな声で告げた。


「先にディーアがやってよ」

「いいよ、ウィンガーディアム・レビオーサ! 浮遊せよ!」


机の上に置かれた羽に向けて杖を振ると、羽は徐々に浮かび上がった。


「おお、ミス・エヴァレストもやりましたよ!」


フリットウィックがディーアに気づき、ハーマイオニーと同じように称賛を送った。


「次はネビルの番よ」

「う、うん」


ネビルは何度も呪文を唱えて杖を振るものの、羽は一向に浮かび上がらなかった。何をやっても上手くいかないネビルは「やっぱり・・・・・・」とつぶやいて自信を無くした。そのたびにディーアが優しく声をかけて教えてやる。「今はできなくても、練習すればきっとできるようになるよ!」励ましてくれるディーアに、ネビルはちょっと笑って「ありがとう」と言った。