×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

14


それから数日間、殆どのグリフィンドール生はスリザリンとの合同授業の魔法薬学に殆ど嫌な思いをしている様だった。

ディーアがグリフィンドールの談話室におりてくると、談話室にあるお知らせが届いた。グリフィンドール生の一年生はそこに群がり、その中にはハリーやロンもいた。


「おはよう、ハリー、ロン」

「おはよう、ディーア」

「見てみろよディーア」


ロンに即され、掲示板に記されたお知らせに目を向ける。一年生たちは、その掲示板を見るとみんながくりと肩を落としていた。

──飛行訓練は木曜日に始まります。グリフィンドールとスリザリンとの合同授業です──


「アイツ、クィディッチがうまいって言ってるけど口先だけだよ。」


ロンが呟き、ハリーは小さく頷きを見せた。

掲示板を見て、何故みんなが肩を落とし嫌そうな顔をするのか理由が分かった。スリザリンとグリフィンドールは寮単位で仲が悪く、睨み合い続ける間柄だ。そして、既に魔法薬学の授業で彼らの人となりは理解している。

きっと今度の木曜日は大変だろうなぁ、と内心つぶやき、ハリーやロンたちと談話室を後にした。

それから暫く、寮内では飛行訓練についての話題でもちっきりだった。

基本的に、魔法使いの家の子たちは箒の経験がある。シェーマスやロンもそのうちの一人だ。ただ、ネビルはおばあさんが箒に近づくことを禁止していたため、経験がないと言う。

ハーマイオニーはネビルと同じくらい、頬機に乗ることでピリピリとしていた。ハーマイオニーは図書館で本を借りてその本にしがみ付いて、ネビルもハーマイオニーが読んで聞かせる内容を真剣に聞いていた。
それにウンザリしている表情を浮かべたハリーをみて笑みをこぼすと、ちょうどフクロウ便がきて、ハーマイオニーのそれも自然と止んだ。

数多くのフクロウがくちばしに手紙を加えていたり、足で荷物を持って飛んでくる。そして賢いフクロウたちは、しっかりと宛先人の真上で落とす。

ディーアの向かいに座ったハリーの隣にいるロンにもいくつか届けられた。そのうちの一つである新聞の包みを、ロンは横へ追いやった。「見ていい?」ハリーはそれを指させば、ロンは頷く。早速ハリーは新聞を開いて、特大ニュースを読み始めた。

『七月三十一日に起きたグリンゴッツ侵入については、知られざる闇の魔法使いまたは魔女の仕業とされるが、捜査は依然として続いている。荒らされた七十三番金庫は、実は侵入されたその日、既に空になっていた』


「それって……」


記事を読み聞いたハリーとディーアは、お互い新聞から顔をあげた。


「ディーア、この金庫、僕たちがハグリッドと行ってきた金庫だよ」

「うん。七十三番金庫だったし、ハグリットは極秘だと言ってたわ」


二人は顔を見合わせ、一体だれが金庫に侵入したのだろう。そして狙っていたものは。あの小さな包みは一体なんだったのか。
考えても分からない疑問に、二人は頭をひねった。