第27話



片づけを終えたころにはもう夕方で、音駒が帰る時間となった。

烏野は音駒を見送るため、外へ出ていた。田中は音駒の人と仲良くなったのか、お互いに涙を流して手を握り合い、別れを告げる。一方、澤村と黒尾はニコニコと笑顔を浮かべながら握手を交わすが、その手はギチギチと強く握っている。それと同じ行動をとっているお互いのコーチたち。

その様子を、音駒のリベロや菅原、そして夜月や月島は呆れながら見ていた。


「挨拶!」


号令がかかり、烏野と音駒は向き合うように一列に並ぶ。


「「ありがとうございましたーーっ!!!」」」


烏のは手を振って、歩いていく音駒の姿が見えなくなるまで見送った。その時一瞬、振り返った黒尾と目が合った。黒尾はニヤッと笑みを浮かべ、それ見た夜月は少し嫌そうに目をそらした。

「・・・・・・今日のが公式戦だったら、1試合目負けたあの瞬間に終わるんだ。ぜんぶ」

「・・・・・・知ってる」


音駒がみえなくなったところで、影山がぽつりとつぶやく。
影山は日向に言ったんだろうが、それはみんなにも聞こえていた。


「そーだ、わかってんじゃねーか。そんでその公式戦・・・・・・IH予選はすぐ目の前だ。さっさと戻るぞ、今日の練習試合の反省と分析とそんで練習だ」

「「「あス!!!」」」


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