第24話
5月6日、烏野総合運動公園。
「集合!!」
澤村の声で全員が走り、並んでいた音駒の前に並ぶ。夜月は清水の隣に並んだ。
そこには昨日の弧爪研磨と、背の高い男がいた。
「あっ!?」
日向が声を上げた。目の前には研磨がいたからだ。
どうやら、彼らが音駒だったことに気付いていなかったらしい。
「挨拶!」
「お願いしアス!!」
挨拶も終わり、清水と夜月は荷物を持って準備に向かう。
すると、向こうで日向が研磨に近寄って行った。
一方的に話してる様子から、仲が良いのかそうでないのかよくわからない。
そして後ろからは目つきの悪い人が。日向に話しかける。途端、田中が日向を助けに行った。
その様子はただのガラの悪い人たちで、音駒の人と菅原が止めに行く。
そんな時、音駒の目つき悪い人が清水を見て固まった。
丁度二人は田中の後ろを通り過ぎるところで、夜月は清水の後ろを歩いていた。
「……」
清水は目つきの悪い人と目が合うと、軽く会釈をしていってしまう。
「はうぅッ!!」
そして、変な声をあげた。
次に目が合ったのは夜月で、その人は顔を赤くしたまま再び固まる。
「こんにちわ」
愛想良く微笑んで、清水のように会釈をした。
途端、その人は走っていく。
何だったのだろうか……。
清水と夜月は水道のところへ向かい、手分けしてドリンクを作る。
すると、音駒の一年生らしい二人がドリンクのバッグを持って現れた。あちらにはマネージャーがいなかったし、一年の仕事になったのだろう。
「もしよければそれ、やっておきますよ」
「え? いいんですか?」
「君らも選手でしょう? アップをしないといけないしね。いいですよね、潔子さん」
清水に聞くと、肯定を意味に頷いた。
すると背の高いほうの子がバッグを差し出してお礼を述べた。
「ありがとうございます!!」
夜月がそれ受け取ると、二人は来た道を戻り体育館へ向かう。
清水や夜月には聞こえなかったが、二人は歩きながら「烏野のマネージャー、優しい人だね」とコソコソと話した。
さっそく夜月は受け取ったボトルに水を注ぎ、ドリンクを作っていく。
烏野のほうを作っていた清水がその様子を見て、クスリと笑う。
「夜月ちゃんって、本当優しいよね」
「え、そうですか? 潔子さんのほうが優しいと思いますけど」
「そんなことないよ。夜月ちゃんの方が、よっぽど優しい」
そんなことを話してドリンクを作っていくと、あっという間に終わってしまった。
清水は烏野を持ち、夜月は音駒を持ち、夜月は音駒にそれを渡しに行った。
「すみません、ドリンクを渡しに来たんですが」
「ん? あぁ、なんかウチの分まですみません……」
そう笑ったのは茶髪の小さめの人。
多分、ユニホームのカラーリングが違うから、リベロだ。
「いえ、全然平気ですよ。それでは」
夜月は一例をして、烏野のほうへ駆けていった。
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