折りたたみ傘は常備するべき
「玲ちゃんタオル貸してー」
「なまえ!?何であんたそないにずぶ濡れなん!?」
「傘忘れた」
「あんたアホやろ」
いや玄関までは覚えてたの!でも靴はいてたらすっかり傘のこと忘れてて、学校行ってる途中に雨降ってきてから気がついたんだよ
「折りたたみ傘も持ってなかったん?」
「うん、無くしたからさ」
「あんた本間にアホの子やな、今梅雨なんやで?折りたたみ傘持っとかなやろ」
「はい、すんませんでした、てことでタオル貸して」
「あんたに貸すタオルはない」
「なんで?!」
「タオル持ってへんから」
「MA・JI・DE?」
玲ちゃんが忘れ物とか珍しい、私はつくづく運がないと思う。制服くっついて気持ち悪いし、ジャージはあるけどそのまま着たら濡れちゃう…しょうがない…
「中原タオル貸して!!」
「嫌や!!!」
「そんな殺生な!中原様、私にタオルを貸してくださいまし!」
「土に還れ」
クラスメイトでそこそこ仲のいい中原くんにタオルを借りようと声をかければ、即答で断られた。しかも土に還れとか酷過ぎだろ
「なんだよ、中原身長も小さければ器も小さいんだな」
「な!?身長関係ないやろ!なまえなんかに俺のタオル貸したら何されるか…」
「何もせんわ!!くそ…私には…タオルが必要なんだ…ッ!?」
私が床に膝と手をつきリアルorzをしていると、頭の上に何かが乗った。これは間違いなくタオルだ、まったく中原も貸してくれるならもっと早く貸してくれたらいいものを…まったくツンデレだな☆って馬鹿なことをしている場合じゃないぞ
「よいしょっと、中原ありがとー」
「それ俺のやないで、財前くんのや」
「あ、そうなんだ、財前くんのか、ありがとー…って財前くんの!?」
「何や文句でもあるん?」
「そ、そんな私のようなものが財前くんのタオルを使うなどとおこがましい、私風邪ひかないから大丈夫!」
「馬鹿は風邪ひかへんからな」
「そうそう!…あれ?今私さらっとディスられた?」
あまり話したことない財前くんにすら馬鹿にされる私ってどうよ?え?素敵?ありがとう
「財前くんのタオルとか高く売れそう」
「…」
「あ!ごめん!嘘だよ冗談だよ!だからそんな冷たい目で見ないで!」
でも私ファンから殺されそう…いやそこはさっちゃん先輩が守ってくれるだろう、皐月先輩、通称さっちゃん先輩はテニス部のファンクラブのリーダー的存在で、すごく美人な先輩だ、私のことをとても可愛がってくれている
「なまえ制服どうするん?」
「んージャージにでも着替えようかと、財前くん今日部活ある?」
「今日はミーティングだけや」
「じゃあタオル洗って返すね!」
「おん」
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