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丁度お昼頃。
…五番隊の後でご飯食べに行こう。

五番隊の門番に尋ねる。

「すいません。私、本日付で九番隊隊長に任命されました、冥地菜舞と申します」
「!! いらっしゃいませ!!!副隊長に御挨拶ですか?」

そうか、この隊も隊長がいない隊だった。

「はい、挨拶に参りました」
「案内させて頂きます。どうぞこちらへ」

門番親切ー!
他愛ない話をしながら、門番についていく。
最初が二番隊だったからね。ピッチリした感じが怖かった。
優しさが目に染みる。
四番隊の花太郎君も優しかったな…
卯ノ花隊長の黒さで台無しだけど。

ちょっと行った所に通された。
奥に人がいる。霊圧を感じる。
挨拶をするか。

「こんにちは。私、冥地菜舞です。本日付で九番隊隊長に任命され…まし、た」
「え…?」

五番隊の副隊長はポカンと私を見つめている。
この顔、見覚えある。
以前逢った時よりも、幼さが抜け、ヤツれた印象だ。

「…モモちゃん?」
「菜舞ちゃん、だよね…?」
「モモちゃんだ!!!久し振り!!!」

私はモモちゃんに駆け寄り、手を握る。
モモちゃんも握り返してくれる。

「苗字違ってたし、護廷十三隊に菜舞ちゃんが入るとは思ってなかったよ!!
 元気だった!?」
「うん!!モモちゃんもあんまり変わってないね!」

モモちゃんに元気そうだねって言えなかった。
どう見ても、痩せてるし、目に疲れの色が窺える。

聞かない方がいいのか、聞いたほうがいいのか。

「私もモモちゃんとシロちゃんが護廷十三隊に入隊した後、色々あったんだ」
「最近おばあちゃんの所に行ってないなぁ…
 あんなに護廷十三隊なんかって言ってたのにね」
「心変わりもあるって!」
「そうだね、昔から菜舞ちゃんは気分屋だったもん!」
「一応私も隊長に推薦してもらったから。そこまで公私混同しないよ」

ちょっとシロちゃんに抱きついたり、配属されたい隊とか決めてなかったけど、別に気分屋じゃないし。
いっつも白哉様に怒られてたけど、仕事はちゃんとしてたし。
だから、気分屋じゃないし!!!!

「隊長推薦で隊長に選ばれたんだ!?凄い!!!」
「え…うん。ありがとう、何か照れる」
「私も隊長になれれば苦労しないんだけどね」
「まずは卍解だね」
「うん……。あ、そうだ!菜舞ちゃん、今から暇?お昼食べるんだけど、一緒にどう?」
「いいの!?行く!食べようよ!!!」
「美味しいお店知ってるの」

私はウキウキしながら、モモちゃんとお昼ご飯を食べました!




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「兄…名は?」

名を尋ねられた。
動かなくなったアキちゃんから目を離し、声がした方向をを見ると、立派な羽織を身に纏う男がいた。
…死神だ。

「何の用。あんたらみたいなのに、教える名前なんかないんだけど」

護廷十三隊がなんだ。
ばあちゃんは"護廷十三隊が世の平静を守ってるんだよ"って言ってたけど、違う。
だってだってだって。
私の友達は死んだんだよ。刺殺。
どこかを強盗したつまんない泥棒に。しかもその泥棒は黒い死覇装を着ていた。
平静なんて平和なんて、守られてない。誰が乱してるのよ。

「すまなかった。先程の者は訓練生だ。訓練に耐えられず、逃げ出した」
「…意味、解んない」
「真央霊術院の院生を授業の一環で、一週間我が護廷十三隊・六番隊が教育を請け負ったのだ。
 混乱した院生のしたこと、申し訳ない」
「アキちゃんは還ってこないのに。申し訳ない、で終わるわけないじゃん」

私は男を睨みつける。
男は涼しい顔で、私を見つめ返す。

「(この者は死神の素質がある…)」
「もういい。帰ってよ」
「兄、名は?」

私は男を無視して、アキちゃんを引きずる。
どこかに埋めてあげよう。
私は一生アキちゃんを忘れないから。ずっと見舞うから。
男はそれっきり何も言わなかった。


こんな最悪な出会いから、私の護廷十三隊への道は始まった。





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真央霊術院の件(クダリ)はオリジナルです!
職業体験のような感じです。
でも、この問題が起こったから次年度からはなくなったとか。

2012.7.12.


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