Ears 今朝迎えに来てくれたのはリボーン君だった。 リ「ちゃおす、月空」 月空≪おはよう、リボーン君≫ リ「昨日はよく眠れたか?」 月空≪うん…まあまあかな≫ リ「やっぱり、月奈の昔のことは今日帰ってから効くのか?」 月空≪そうだよ。ちょっと緊張してるんだ≫ リボーン君に着いていく。 リ「ならこれを渡しておくぞ」 リボーン君が掌サイズの箱を取り出した。 リ「これは昔月奈が使っていた武器だ」 月空≪…武器……?≫ こんな小さな物が? 人を傷つけるの? リ「一応月奈に返そうと思ってな」 月空≪これ、どんな仕組みなの?≫ リ「詳しくは知らないし、言えないぞ。月奈に聞け」 …はぁい。 とことことリボーン君と歩いていたら、並中についた。 今日は開校記念日で学校が休みらしいです。 グランド、野球部が使う方にツナ君、獄寺君、山本君がいた。 ツ「あ、月空ちゃん!おはよう!」 山「チーッス、小牧!」 月空≪おはよう、ツナ君、山本君!≫ 獄寺君は挨拶を返してくれないので、挨拶は予めしません。 リ「よし、みんな集まったな。特訓を開始するぞ。 まず山本からだ」 獄「な!り、リボーンさん!オレから先に!!」 リ「焦っても強くなれないぞ」 成程、ゆっくりの方がいいってことかしら。 リ「山本、こいつを投げてみろ」 リボーン君が少し小さい野球ボールを山本君に手渡す。 山「ハハ!可愛いボールだな」 リ「狙いはあの壁だ」 山「OK」 山本君はマウンドに向かう。 真剣な表情になり、振りかぶってボールを投げる。 壁に当たる瞬間、ボールに針が生えた。 そして、壁は粉砕した。 ツ「何じゃそりゃー!!?」 月空≪…凄い≫ ツ「おい!リボーン!! 何投げさせたんだよ!!」 リボーン君に駆け寄るツナ君。 私はもとからリボーン君の隣にいる。 リ「こいつは、ボンゴレ企画開発部に発注していた、岩をも砕く弾丸ボール"マイクロハンマー"だ」 ツ「山本に武器を持たせる気かよ!」 リ「当然だぞ。一応月空にも持たせたぞ」 ツ「んなー!!?月空ちゃんにまで!!??」 月空≪私は…親に返すだけだから≫ 私が武器を預かってるだけ…だよね? ツ「山本と月空ちゃんをお前らのそういうへんてこな世界に引きづり込むなって」 山「おいツナ!心配ないって!」 山本君がツナ君の肩を持つ。 山「――――。――!」 ツ「いや、そうじゃなくって!」 山「可愛いじゃねぇか!遊びだ、遊び♪」 山本君の言葉は内緒話のようで、最初を聞くことができなかった。 山「よおし!次頼むぜ、トレーナー!!」 リ「武器を使いこなすには優れた反射神経と動体視力が必要だ」 山「ああ!いいバッターはどんな球でも止まって見えるって言うしな」 月空≪へえ…それでどうするの?≫ リ「次からは月空にも参加してもらうぞ」 月空≪!! う、うん!≫ リボーン君が突然指を口に咥(クワ)え、指笛をし始めた。 視界の隅に光るものが見える。それはこちらに飛んでくる。 あれは、……マイクロハンマー!!? このままじゃ危ない!! 私はそれの着地地点を予測し、避ける。 数テンポ遅れて山本君もマイクロハンマーをかわす。 地面に衝突するマイクロハンマー。 砂埃が舞う。 砂埃に影が見える。 よく目を凝らして見ると、だんだん視界が開けてきた。 ツ「な、何あれ!!?」 リ「ピッチングマシーンだ」 ツ「どうみても戦車だろ!!?」 こちらに戦車が向かってきていた。 急に止まって、金髪イケメンが出てきた。 デ「久し振りだな!ツナ、月空!!!」 月空≪ディーノさん!!?≫ リ「よく来てくれたな」 デ「お安い御用さ」 え、戦車に乗ること? ていうか、貴方はイタリアンマフィアのボスではなかったかしら? ……暇なの? ディーノさんは再び戦車に乗り込む。 リ「いいか、月空、山本。 このピッチングマシーンが打ち出す球を悉(コトゴト)く避けるんだ」 山「楽しそうじゃねぇか!頼むぜ!!」 月空≪うん、解った!!≫ 私は戦車の方を向く。 戦車はまたこちら側に来ている。 私達は走り出す。 タイミングを見ながら、マイクロハンマーを避ける。 山本君は笑いながら走っている。 これ、当たったら命が危ないんだけど。 よく笑ってられるね、山本君。 試練って、命もかけるものなんだね♪ 山「この遊びおもしれぇな!!」 月空≪もう少しあってもいい気がするな≫ 山「球がか?」 月空≪ううん。私達が反撃できたりしたらいいなーって思って≫ 山「それいいな!」 走りながら会話する。 もうほとんど爆破地点が解る様になったので、苦ではない。 デ「(大した運動神経だな…)」 ------------ 30分は逃げたかしら。 山本君が不意に止まった。 月空≪山本君?どうしたの?当たっちゃうよ?≫ 山「いや…さっきツナの声がしたんだ」 私も立ち止まる。 すると、球の攻撃も止んだ。 デ「どうした?お前ら。降参か?」 山「なわけないじゃないっすか!さっきツナの悲鳴っぽいの聞こえなかったッスか?」 デ「悲鳴? まあいい。もう全部避けれるようになったし、避けるのはこれで終わりにすっか!」 お!免許皆伝ってやつですか? 嬉しいです!! デ「んじゃ、リボーンの所行って報告するか!」 ディーノさんが戦車を降り、一階にある家庭科室に走った。 私達もついて行く。 山本君とディーノさんが同時に着き、窓を開ける。 私は2,3歩遅れてしまった。 つ、…疲れた……!! 山「おい、大丈夫か!?外にまで悲鳴が聞こえてきたぞ?」 ツ「山本ォ! ――!」 部屋を覗くと、黒板に何かの図が貼られ、リボーン君がその前に立っている。 獄寺君は土下座、ツナ君は床に座っていた。 デ「コイツら凄いぜ!もう全弾避けれるようになっちまいやがった!」 山「いやぁ、だいぶ苦労したけどな」 月空≪疲れたぁ……≫ 本当にしんどいんだけど、どうしよう。 日頃の運動不足が祟ったのね。 …今度からウォーキングでもしようかしら。 ツ「流石、山本、月空ちゃん」 獄寺君が急に立ち上がり、出口に向かう。 え…?何で? 月空≪獄寺…君?≫ リ「ほっておけ」 ツ「でも…」 獄寺君は静かに部屋から出て行った。 リ「山本にもう1つ課題を与えるぞ。月空は休憩だぞ」 山「お?」 月空≪解った……≫ た、助かった! 山本君と訓練は結構キツイ(汗) 2011.3.7./12.4.30. [←] [→] [back] [TOP]
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