雨降れば棒に当たる 2/3



俺は2人の倒錯的な行為を見て勃起してしまい、視線を感じながら上向きのペニスを晒して田端さんの枕元へ片膝をついた。マスクに恐る恐る手を伸ばし、顎の下まで引き下げるとうっすらと見慣れない剃り忘れた髭が生えている。震えた唇にねじ込みたいのをぐっと堪え、鼻先にまで近づける。
「しゃぶって…もらえますか」
「ご、め…っ、ごめんね、井上くん…」
真っ赤な顔をしてぐしゃぐしゃに泣いた田端さんが、俺のペニスをおずおずと口に含む。ぬるぬるの粘膜は熱くて舌がカリ首をゆるく擦りあげるのが堪らない。普段から柊真と体の関係があるのだとわかり、俺は奇妙な怒りを込めて田端さんの頭を両手で支えた。
「知らなかったですよ、田端さん……こういうの、嫌いなんだと思ってましたから。こ、んな…エロいの、好きなんですね。へぇ」
「んぐっ、……っぁ、ん、くぶっ…ふッ、ひ、がっ」
「違くないでしょ、兄さん。嬉しいんだよね?」
「ッぁう!は、はぐっ……んっんっん、むぐぅ…!」
アナルを犯されてペニスを扱かれ、俺に喉奥まで押し入られ田端さんは濁った唸り声をあげた。否定するくせに一度射精したそこはまたガチガチに固く反りかえり、濡れている。根元の陰毛までぐっしょりと汗混じりに光っている。
「大好きな井上さんのおちんちん咥えられてよかったね。こっちも触ってもらう?」
柊真がヘソまではだけていたパジャマのボタンを外していき、激しく上下する田端さんの胸に触れる。平らなそこも汗で艶めいて小さな乳首にそそられる。丸い爪の先がくるくる円をかくように撫でると田端さんの腰が浮きあがった。
「ふぁッ、ぁ、んっ…ケフッ、ぁんんっ!ん゙、ぶぐっ…ひゅっ、んぐぅ…!」
俺を咥えこんだまま苦しそうに咳をする田端さんは健気だ。止めればいいものを快感の中で必死に絡みついてくる。そうっと手を伸ばして、愛撫されぷっくりと腫れる乳首を押しつぶすように胸の肉を揉みしだくと、目を細めて声にならない声をあげた。
「ぅあっ、は、やばい…っ、僕も、そろそろ出そう」
今の刺激で締まったらしく柊真は切ない声で言う。徐々に腰の動きも激しくなり、田端さんの口から俺のペニスが抜けて頬を滑って大きく咳き込んだ。その間に柊真は荒い息で自らの服をまくる。思わずぎょっとして、俺はそこに釘付けになった。
女装が趣味と言ったように柊真は下着と同じく水色のブラジャーを身につけていたのだ。もちろん膨らみなどなくて、前かがみになると浮いたカップの隙間から赤い乳首がちらちらと誘ってくる。
「ね、井上さん、僕のも触って?僕もここ、触られるの好きだから…っ、もっと、こっちきて…、ぁっ…あんっ…井上さんの手、兄さんみたいに熱い」
俺はたまらず柊真が言い終る前に田端さんの顔を跨いで柊真に触れた。ブラジャーを無理矢理上へとずらして小さな粒を親指の腹でぐりぐりといじめる。本当に女の子みたいな声をあげて腰を振るのがいやらしくて、俺は薄っぺらい胸にしゃぶりつく。
「ひゃう!ぁ、だめっ、あっん、んっ舐めちゃ、あんんっ」
「柊真、…くん、乳首好きなんだ。田端さんと一緒だね」
「はふっふ、ぁあっ、うん、好き…っも、イくっイ、く…!井上さん、ちゃんと見てて?兄さんが、中出しされるとこ、見てて、あげて…っ」
小さな粒を軽く歯に挟むように噛んで、息を詰まらせた柊真がびくっびくっと腰を震わせる。田端さんもそれを感じて精液混じりのカウパーを飛ばした。言われた通りにしっかりと見届けた俺は、ドキドキしたまま柊真の髪を撫でる。少し驚かれたのが不思議で、キスをしてみた。
「あはは、変なの……」
「俺、セックスの時はキスとかしたい派なんだよね…、ごめん、嫌だった?」
「全然嫌じゃないよ。むしろ嬉しい、かな?兄さんに妬かれちゃう。ふふ、もっとしていいよ」
柊真が俺の首へ腕を回して唇をぴたりと合わせてくる。柔らかくて小さな口だった。お互いに伸ばした舌を絡め合わせて唾液がくちくち音を立てて気持ちがいい。股の下で声を抑えて泣く田端さんに気付きながらも、いつの間にか芽生えた加虐心が煽られるだけだった。
「……井上さん、キス上手いね]」
「そう、かな?」
「今度は2人だけでしよっか?兄さんにあげるの勿体ないなあ…ネコは嫌だけど、井上さんならちょっと魅力かも」
爽やかに笑いながら柊真は俺の肩を押し返し、体を引いて田端さんの中からペニスをずるりと抜く。塞ぐもののなくなった穴からは中に出された精液が少しずつ溢れるのが見えた。それに気付いた柊真が俺の手を取って指先を触れさせると、吸いついてくるようで唾を飲み込んでしまう。
「でも、もう返してあげようかな。井上さんもイきたいでしょ?今なら、僕のもまじってどろどろだし、直ぐに入れるよ」
意地悪く言われて、俺はふと田端さんの顔を見た。丁度股の下にいたせいで、俺が零したもので顔が濡れている。顎下でたわんでじっとりと濡れたマスクが病人だということを思い出させてなんだか哀れで、心臓が痛いくらいに早く打った。

俺が入れるとなると田端さんは弱りきった体で暴れてみせたが、難なく抑え込めた。慌ててベッドを這い降りようとしたせいで後ろから抱える形で、全裸にした田端さんを堪能する。丸っこい尻の谷間に疼くペニスを押しつけて、ひくついた穴を焦らしてやる。
「田端さん、逃げないで…っ、お願いします」
「ぅ、ぁ……っ、な、んで…?井上くん、やめて…っ、まだ、まだゆ、許すから…っ、な、なかったことにするから…!ぁっあ!」
聞こえないフリでちゅぐぐ、と亀頭が埋まる。熱くて狭いのにとろけた肉の壁が気持ち良すぎて眩暈がしそうだった。こんなことをするべきではないとか、これからどんな顔をして会えばいいんだとか、そんな疑問が今更湧いては消える。俺は今、とにかく田端さんを辱めたくて堪らなくなっていた。
「そ…っ、な…んぁっはあ゙…あ゙っ、はっ、はぃ……って、あっ、嫌ぁ、まだっま、待って…!動かな、あっ……は、ぁ゙あッ」
気遣う余裕なんか吹きとんで俺はむちゃくちゃに腰を振った。ただ自分が射精するためだけのような動きに、田端さんが悲鳴を上げる。ぐじゅぐじゅと先に中に出された柊真の者が泡立って、隙間から漏れる些細なことまでもが快感だ。一方的にぶつけ合うようなセックスに興奮した。
「兄さんどう?気持ちいい?井上さんにお尻まんこにされて、セックスされちゃってるよ」
「言わな、ぁっ…あぐっ、んっ、ゲホッ、ぅあ、あ!」
汗で滑るのが鬱陶しくて腹まで手をまわして逃げる体を引き寄せる。上から体重がかかると折りたたんだ膝が開いていき、無防備なペニスが手の甲に当たる。まるで萎えずにぬるついているのが可愛くて手にすると、田端さんが跳ねて、手がもっと濡れた。滑りがいいのを利用して強引に擦る。
「はんっ、ん、んあぅ!あ、ぁあっ、井上く、んっ」
「なんですか…っ、田端さん?俺、もうイけそう…です。すっげ、気持ちいい。中、やばい」
「褒めてもらえてよかったね、兄さん」
傍観を決め込む柊真が田端さんの頭を撫でる。それだけでも快感になるようで、真っ赤な耳がピクピク動いた。体をぴったりと密着させて後ろから舐めると、締めつけがよくなる。限界を自覚して息が詰まった俺は、田端さんの顎を捕えて後ろを向かせた。その意図を察した田端さんが頭を振る。
「なんで、嫌がるんですか?」
「だ、って…っ、ぁっだめ、うつっる、か、風邪っ…ぇっ、い、井上く、が…っ」
呂律もあやしくなり始めた田端さんがガクガク揺れる。自分でも何を言っているのかわかっていないのかもしれない。今更そんなことを言われても止められない。俺はありったけの愛情を込めて、奥を突きあげた。その一瞬、田端さんの抵抗が弱まり、唇を奪う。
「あんっんっぅッ、ゃめ、…ッーー、ッ、ん、ぅゔ!」
ぎゅううっとアナルが締まり、絶頂を感じた。田端さんのペニスが手の中で大きく震えて玉のような精液を漏らし、ほぼ同じく俺も射精に至る。目の前が弾けるような、味わったことのない快感に奥歯を食い締めた。
「ッは、ぅ、わ…っ、まだ、うねってる…っ」
搾りとられるような肉壁の動きに腰が戦慄く。鳥肌が立って、汗が噴き出た。腕の中の田端さんが呻いたのに気付いて拘束を解くと、がくんとその頭が垂れる。俺は慎重に萎えたものを引き抜いて一息つき、その瞬間に田端さんに異変が訪れた。

「はっ、はっ、はぁっ…っぁぐ、ぅ、駄目…っだ、だめっ、出、ゔっ…んぐ、ぉ゙ぇ゙ッ」
「わっ!ちょっ…っ、兄さん!?」
「え、た、田端さん…?」
柊真が焦った声をあげて、咄嗟に田端さんの顔の下へビニール袋を滑り込ませる。すると間一髪、田端さんの開いた口からごぽんと水っぽい塊が落ちた。俺は慌てて下半身をしまい、裸の貧相な背中を撫でた。田端さんは何度も体を飛びはねさせて、立て続けに嘔吐する。
「す、すみません…!田端さん、大丈夫ですか?」
「だぃ…じょ、ンぐ…っ、ご、ごめ…っ」
「いいよ兄さん。ごめんね、辛かったよね」
「全部吐いちゃってください。その方が楽になりますから」
汗が冷えて体温が下がらないように背中に布団をかける。桶の湯はすっかり冷めてしまっていて、俺は柊真に田端さんを任せて慌てて風呂場に走った。その間に俺の頭の熱もどこかへ消えて、派手に窓に吹きつける雨がやけにうるさかった。


  


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