【 memo 】

日常時々ネタ帳時々返信

2019/02/06 21:08
無題

まるで自然の摂理であるかのように
首をもたげ始めた「それ」は
私を乱して乱してかなわない


はじめは小さな芽だった?
はじまりの種子はいつ植わった?

前触れに気づくことなく
私は毎日を過ごしていただけ

毎日「みず」を吸い上げて
やがて芽吹いた「それ」


とめどなく
何かがあふれてくる
自分の内から


わき上がるこの気持ちは
「めちゃくちゃにしたい」
という衝動であり
「まもりたい」
という絶叫でもある

私はその境界を
どこに見ようか?


外の嵐は何故か私を急かし
内の濁流は何故か私を諭そうとする

何も
見当がつかない


ただただ溢れだすエネルギーは
いったいどこへ向かいたいのだろう


明るくもあり暗くもある「世界」の中で

わたしは

揉みくちゃにされながら
探し、求め続ける

この衝動と絶叫が昇華されるときを


やすらぎの中
眠りにつける「その」場所を



ネタめも


2014/11/25 22:08
昼下がり

天気はよくも悪くもない。
外へ出ればじとり。
湿った空気だ。

サイズの合わない靴を無理やりにはいて、
かといって目指す先は曖昧なものだ。

どんなに工夫したところで
わたしは
はや歩きでは生きていかない生物だし、

どうやったところで
地面をジャリジャリいわせながら
足をはわせていくしかないのだ。

笑ったことも泣いたこともあったかもしれない。
けれど全て過去だ。
取り戻せやしないものだ。


これからなどわかるものか。


そして明日を明暗などではかる必要はない。

ただ、歩く先で出くわすものを

何の感情も込めずに迎えればいい。

特別などいらないから。




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アンニュイみたいなそんな感じです。
(実はよく意味を解っていません)



ネタめも


2013/05/24 23:49
ある晩のコウカイ者

 深夜のファミリーレストランは思いのほか居心地がよかった。混みすぎず、閑散としすぎず。適度に誰かしらの会話が聞こえてくる。
 学生時代から何となく優等生を気取ってみて、深夜に外を出歩いたことなんてなかったけれど、社会人になってからはすっかり帰りが遅い。自ら望まなくても午前さまだ。
 腹ペコなお腹をさすりながら、ふと立ち寄ったレストランで気をすっかりゆるめて好きなものを食べる。あぁ、これを幸せと僕は呼ぶ。
 あの上司いまだに苦手だなぁとか、後輩ができたけど全然先輩としてなってないなぁとか……ひとりの小さな反省会だ。そして、思考のたどり着く先は自分の人生、将来について。
 結婚はいつかしたいけど、まだ誰かを養えるような力はない。かといって他に夢があるのかといえば、実は実は、僕には夢がない。昔から夢を見つけるのが目標なんて言っていたやつなのだ。
 これから先、胸を昂らせ目を輝かせてくれるような夢に出会えるのだろうか。僕は待てばいいのか探しにいけばいいのか、どうしたらいいのか……分からずに、世間体を気にしながら表をつくろって生きてきた。がむしゃらにもなれず、自棄にもなれず。
 ただ確実に言えるのは、こんな情けない僕でも全てまでは投げ出していないことだ。
 その証拠にまだ僕は生きている。
 そして目の前に広がるのはいつだって漠然とした不安と焦燥の海だ。
 暗闇に揺らめく大海原を僕はじっと見ている。そして息を止めて夢想するのだ。
 その波に飲み込まれる瞬間を、そしていつか浮上する瞬間を。


ネタめも


2012/08/14 23:28
七人の晩餐会――スープ

 相変わらず顔をとらえることのできない給仕が、無言でスープの入った皿を並べていく。驚くほど静かな動きだった。
 皿のスープはこれっぽっちも揺れる様子がない。
 その動きが余計に彼らを魔物か何かに感じさせた。ベルナーは思わず息を止めてスープが並べられていく様を見つめる。そして改めて思わずにはいられなかった。
 なぜ自分はここにいて、謎の招待者の歓待を受けているのか。
「大丈夫ですか」
 渋い顔をしたベルナーが気になったのか、向かいの青年が声をかけてきた。名前はシュレウスとか言っていた。
 嘘くさいような人当たりのよい笑みを浮かべるのが大変うまい人物だ。ただ、ベルナーのように常に不機嫌な顔をしているよりはよっぽどいいのかもしれない。世渡りのうまさなら確実にシュレウスの方が上だろう。
「別に何ともねぇさ」
 吐き捨てるように言ったのは、情けないことに恐怖心を振り払うためだった。
 どうにもこの、非日常の世界に自分はいるのだと自覚してしまうと、どこからともなくぞわぞわしてきて、不安になり、ぐらぐらする。
 地に足はついているか、自分の目は耳は鼻は頭は正常なのか、何もかもが疑わしく思えてきてしまう。
 目の前にあるスープは、透き通った琥珀色の美しいスープだった。何のスープだろうか、と考えたところでベルナーは無用にも己の不安を煽るような思考を巡らせてしまう。
 ――これはまさか。
 何かおぞましいものが溶け込んでいるのではないか。何か。とても口にしたくない、口にしたと知りたくない何かが。
 浮かんでいるパセリも、何か毒を含んだ草ではないかと思えてきて、ベルナーは一人冷や汗を流していた。

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お久しぶりです…!
あーもう最終更新日から一年が経つなんて信じられないうわわわわ。
「七人の晩餐会」はそれはもう何年も前に、当時衝撃を受けたとある曲と、印象的だった車のCMのイメージが合わさって出来上がったものです。
オチがどうにも思いつかなくてまともに書いたことはありませんが、お気に入りのネタのひとつです。


ネタめも


2011/07/21 12:01
無題

「自分でも笑いたくなる。綺麗事だと思うんだ」
 でも、と彼は続ける。
「当時は少なくともそれが真実だった。そう信じたい」
 言って彼は酒を呷る。普段一滴たりとも酒を口にしない彼にしては異様なペースだった。飲めない体質ではないのだろうが飲み馴れていないのは明らかで、このままではさすがに危険だと思った。
「おい、その飲み方を何とかしろ。自棄酒など言葉でしか知らないようなやつがすることじゃない」
 だが彼の手は止まらない。見かねて男がグラスとボトルを同時に奪うと、彼は取り返そうとして鈍い動きで宙を掻いた。そして拗ねたように肩を落とし静かになった。
「言いたいことがあるなら酒に頼らずとも思うがままに言えば良い」
「……お前なら受け止めてくれるって思ってる自分がさ、甘ったれみたいだ嫌なんだ。そうじゃなくても充分甘ったれだろうけど。だから酒を言い訳に使ったんだよ」
 酒を飲んだせいであれこれ言ってしまったんだ、だからしょうがないってさ。


ネタめも


2011/05/08 01:53
リハビリ

「戻れると思うのか今さら」
 それは問いではなかった。嘲笑うでもなく男はかつての友を見下ろす。愚かだと思わないわけがなかった。しかし友だった頃通い合わせた彼の心を、魂を男は少しも色褪せさせることなく覚えていた。憧憬のように。焦がれるように。今なお己の内に留めてやまない、その思い。
 決別は最早逃れられない。だからといってそう簡単に死なれてはやりきれないのだ。それ故の宣告だった。
「次に会う時、あればの話だが、その時はお前を殺す。それが全てを良い方向へ導く為の方法――いや、綺麗事だったな」
「まだ死ぬわけにいかないし、君に殺されたくない。せいぜい君に出くわさないよう慎重に行くよ」


ネタめも


2011/03/29 15:05
風向き

 このままいけば。いつか、風向きは変わる。
「大丈夫。うちのチームはどんどん強くなっていくよ」
 いい風が吹いて、いやチーム自体がいい風になっていくんだ。きっと。そして――私は必要じゃなくなる。
 それでいい。
 そうでなくちゃいけないんだ。


ネタめも


2011/03/27 01:27
無題

 しばらく雨が続いていたが昨日今日は雲一つ無い晴天に恵まれている。吹く風には夏特有の清々しさを感じ始めた。梅雨が明けつつあるのである。惣兵衛(そうべえ)はすっかり湿り気の抜けた土手の斜面に寝転がり、特にすることがないのでのんびりとしていた。
 雲一つ無いとあって少々暑い。汗がたらりとこめかみの辺りを先程から何度も伝っていた。
 鳥の囀ずりを聞きながら惣兵衛がうとうととし始めた頃、昨日知り合った自称魚釣り名人の勘助(かんすけ)が大声で惣兵衛の名を呼ぶのが聞こえてきた。
「惣兵衛の旦那ー、旦那ー!」
 声の大きさもそうなのだが、その声音のせいかどうも勘助の声は喧しく聞こえてしまう。
「おー、どうしたいそんなでけぇ声出して」
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何となく書き出して一年以上放置してしまったもの。


ネタめも


2011/03/24 13:25
マイスタイル

「では、そんなカワイイ後輩ちゃんの為に特別授業をしてあげよう」
「それはどうも……」
「俺が大事にしてるのは二つ。一つは妄想力で二つ目に行動力ね」
「も、もうそう」
「そそ。単なる想像じゃ、己の欲望が反映され切れてないと思うから妄想。これ大事。ただ妄想だけじゃだめなんだな。頭の中で展開するだけじゃ現実(リアル)に及ぼす影響っていうのは無いとは言わないけど微々たるものにすぎない。それで行動力ね。妄想したことをいざカタチにしてみましょうっていう」
「それに賛成するかどうかは別として納得は、まぁできます」
「ま、今はそれでいいか。んで、行動力だけでもだめなんだよねこれが。カタチにできる、ってだけのパワーを俺は欲してないわけよ。あくまでも自分の欲望と接点がないとモチベーションが上がらないし、俺がやる意味ないじゃん」
「……そんなもんですかね」
「これは俺のスタイルだけどね。一つの見本として参考にでもしてみてよ。例を多く知ることは知識が増えるってことだし無駄にはならない……いやこれは本人次第か」
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会話文で失礼します。


ネタめも


2011/02/04 03:10
合点

「私が悲劇ばかりを書くのは、幸福というものを夢見ることができないからなのかもしれない。耽りたい悲しみや嘆きばかりが浮かぶんだ。幸せな生といわれると考えてしまう、何を幸せというのか。それぞれに悲しみや喜びの尺度が異なるのはもちろんのことだとしても、それでも明らかなものとしての幸せのかたちというのは私の中にはないような気がするんだ。幸せとは何なのか、何だったのか。よく解らない。空想の中にさえ現れないんだ、なかなか。ほうら、これも私の耽りたい悲しみというものの一つなのだろうしね」
 でも解るだろう。
「そうだね。解るよ」
 私が何故惣兵衛を継げたのかが。


ネタめも


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