6
あれから、シリウスに耳を噛まれた俺は、なんだかむしゃくちゃしてきたので外に散歩に出ることにした。
「セブルス、ちょっと散歩してくるー」
一応声をかけたのだが、作業に熱中しているみたいで聞いてないっぽい。とりあえず書き置きをして、俺は家を出た。
「しかし、本当謎な場所だなここは」
普通の森かと思えば、見たことのないような色の植物が生えていたりする。(まあ人喰い花とかそんな大袈裟なもんはないからいいけど)
「アリス?アリスじゃないか!!」
背後から声をかけられ、びっくりして振り向くとそこにはうさみみ男もとい白ウサギだっけ?とにかくそいつがいた。
「一体どこにいたんだい?何でこの間は逃げたんだ!?」
目を丸くしているうちにガシッと肩を掴まれ質問責めされる。
「ちょ、あっその、」
「まったく心配したじゃないか!」
そのまま勢いよく、ぎゅっと白ウサギに抱きつかれた。
あ、なんかこいつ根は悪い奴じゃないんだろうな…本当に心配してくれたんだってことが伝わってくる。
「いい加減に離しなよそこの眼鏡」
「…!リーマス!眼鏡って…そんな呼び方はないんじゃないか?」
再び背後から聞こえた声に顔だけ振り向くと腹黒い笑顔のリーマスがいた。会話と雰囲気からして白ウサギとリーマスは結構仲が良いらしい。
ただし、あまりのリーマスの腹黒笑顔具合に白ウサギは俺から飛び退いた。
いや、リーマスさんマジで怖いっす!
「シュン、久しぶりだね」
「ああ、リーマス、久しぶりだね」
「ちょっとずるいよリーマス!アリスともう仲良くなったの?」
拗ねたような顔をする白ウサギ。なんだか可哀想な気もしたので、俺は白ウサギに話を振ることにした。
「あー、白ウサギさん名前なんていうんだ?」
「!僕はジェームズ・ポッター!ジェームズってよんで!もしくはダーリンでもいいよ」
ジェームズは、パチンと音がするくらい完璧なウインクを俺に投げかけてきた。いや正直意味わかんないんだけど。
「ダーリンはないだろ!?」
「えー、アリスの意地悪ー」
「いやいやいや!俺が意地悪なの!?」
「シュンは意地悪なんかじゃないよ、その眼鏡が変態なだけだよ」
「リーマス酷い!僕はただアリスが好きなだけなのに!」
「ジェームズ…?」
「ぎゃー!すいませんでした!僕がわるかったよ!だからリーマスその腹黒い笑顔ヤメテ!」
← →