「誰だ?お前」

入ってきたのは見目麗しい少年でしたー。てゆーか

「イケメン…!」
「は?…あ、もしかしてお前、アリスか?」
射抜かれるような視線だった。
流石にこんなイケメンに見つめられっと男の俺でもドキドキするんですけど!

「はいはいーアリスです!名前はシュンです!君は?」
「あ?俺は……「何のようだ、帽子屋」

イケメンの言葉を遮るように被せてきたのはセブルス。嫌悪感が声に滲み出てる。え?仲悪いの?

「おースニベルス、相変わらずベタベタな髪の毛だな、ちゃんと洗ってるのか?」
負けじとこちらも嫌悪感滲み出てるー!しかもめっちゃ嫌味な笑い方ー!

「……ちっ…ああ、せっかく来てくれたんだ、おもてなししなくてはな。だがあいにく、うちには犬の餌は用意していないんだ。申し訳ない」

セブルスも負けじと嫌味だ…この二人相性最悪みたいだな。

「あの、帽子屋さん?は何しにきたんでしょーか?」

とりあえずこのままだと、埒があかなそうだったので会話に入る。セブルスは不快そうに眉に皺を寄せたが気づかない振りをした。

「シリウス・ブラックだ。シリウスって呼べよ」
「は?あー…じゃあシリウス。シリウスは結局何しにきたんだよ?」
まさか、嫌味を言いに来た訳じゃないだろうな?


「………依頼だ」
シリウスはどこか気まずそうにしながらひとつの時計を出した。どうやら故障しているらしい。
まあ確かにこう、盛大に喧嘩ふっかけといて依頼はしにくいだろーな

「あー、じゃあ預かる。って事でオーケー?セブルス」
ちらとセブルスを見、確認をとると苦い顔をしながらも頷いた。

セブルスは基本的に公私混同はしない。なんだかんだで、ピーターの時計も毎回ちゃんと修理してあげてるしな。
どんなに嫌いな相手でも、依頼されればきちんと修理するだろう。そして多分それはシリウスも理解している。


「じゃあ…頼む」
シリウスが、ちらとセブルスを見る。

「明日には修理は終わっているから取りにこい」

ぶっきらぼうにそう答えるセブルス。やっぱり優しいなーセブルスは。


「じゃーまた明日なシリウス!」
笑顔で俺がそう言うと、またシリウスは射抜くような視線で俺を見た。深い漆黒の瞳だ。

「シュン、奪いに行くぜ俺は」
「は?奪い…?何を?」
「お前をだよ、シュン」
「今は時計屋に譲ってやる。アリスは、俺のもんだ」

ニヤリ、とシリウスが笑った。そして俺の耳を、噛んだ。

「っぃた゛ーー!?」

痛い痛い痛い!え?噛まれた!?何コイツ!?えぇええええ!?

理解出来ずに(けれど痛くて、のた打ちまわって)いるうちにシリウスは帰ってしまった。

残されたのは呆れ顔のセブルスと痛みで涙目な俺と、一部始終を見ていて陰で震えていたピーターだけだった。





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