「え、なにこの状況?」
てゆーかうるさ!ジェームズうるさ!とりあえずこのやりとりを止めなければ。



「あー、ジェームズ!」
とりあえず話しかけてみる。
「俺、シュンって名前だから。シュンって呼んでくれよ」

この世界に来てからアリスって呼ばれるのはだいぶ慣れたけど、やっぱり名前で呼ばれた方がいいし、と思いジェームズにお願いした。


「うん!シュンって呼ばせてもらうよ!」

ジェームズは、ぱあああっと効果音がつきそうな笑顔をこちらへ向けた。単純だコイツ。



「シュン、早速なんだけど城にいかないかい?リリー…赤の女王が君に会いたがっているんだ!」

にっこりとジェームズが笑った。
赤の女王って女王様だよな?城ってあの向こうに見えてるデカい城か?


「あー、でもセブルスが心配するかもしんねーからまた後日、出直してきちゃだめかな?」
「セブルス?まさか君…時計屋の家にいるのかい!?」

セブルスと言う単語を言った途端に、ジェームズの顔色が変わった。なんつーか嫌悪感丸出し。こいつもシリウスと一緒でセブルスと仲悪いのか…


「僕が連れてったんだよ」
どう言ったら良いのか色々悩んでるうちにリーマスが口を開いた。

「何でだい!?何でよりによってスニベルスの所に!」
「何でってあの駄犬、シリウスの所はナニされるかわかったもんじゃないし、君は変態だし、僕は自由の身だから残りはセブルスしかないだろう?」
「僕は変態じゃないよ!まあシリウスの所は確かに危ない…だからって!」
「セブルスなら何だかんだでキチンと世話してくれるし大丈夫だろう」
「………っ。まあ」

「あのー、俺からセブルスに家に置いてもらうように頼んだんだ」
思わず、俺は口を挟んだ。だって収拾つきそうにないし。

「ほら、シュンがそう言ってるんだから」
「………シュンがそういうなら」
ジェームズは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。何だか悪いことをした気分だ。でも、まー俺悪くないよね?うん!


「じゃあ、後日改めて城には行くということでいいかな?」
重苦しい空気を変えるべくなるべく笑顔でそう言うと、ジェームズも迎えに行くからと笑顔で応えてくれた。


「じゃあ、今日はこの辺で」

そう言って俺は、2人と別れて家へと戻ったのだった。






そしてしばしの戯れを end.
これ以降は選択肢別に続きます!




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -