セブルスにお世話になってからたぶん一週間程。この世界に来て知ったことは、時間がめちゃくちゃであるということだ。昼が来たかと思えば、朝で気がつくと夜になっている。場所によって時間も違うらしい。
1日の定義はあるらしく、日が終わるときに城の鐘が鳴るみたいだ。でも、昼に鳴ったり夜に鳴ったり、日によってバラバラで違和感ハンパないんだけどな。


セブルスの仕事は時計の整備と修理。まあ時計屋だし…。でも、時間がめちゃくちゃなのに時計が必要なのかと思うだろ?だから俺は聞いてみた。

「ここの時計は、どんなに昼夜がぐちゃぐちゃになっても現在の正確な時間を教えてくれる。経過は関係ない。現在の時間がわかればそれでいいんだ」

これ以上くだらない質問は辞めろと、セブルスは不機嫌そうに顔を歪ませ呟いた後、手元にある時計を治す作業に戻った。


「あ、あの…」

ギィと扉の開く音がしてそちらを見ると、そこにはピーターがいた。うさみみ少年、三月ウサギのピーター・ペティグリューだ。

「ピーター!どうしたんだ?」
笑顔でピーターの前に出、尋ねると申し訳なさそうに彼は呟いた。
「シュン!あ、あのそれが…時計の修理を…」

「ペティグリュー…お前、まさかまた壊したのか!?昨日修理したばかりだろう!?」
気付けば俺の後ろに、セブルスが立っていた。そうとう怒っているようだった。

「ご、ごめん。僕転んじゃって…」
「お前は何回時計を壊せば気が済むんだ!今月入って、何度目だと思っている?…そんなに僕の手間をとらせたいのか?いい加減にしろ!!!」

セブルスの怒号が響く

まあ、それも無理はないだろう。ピーターが時計の修理を依頼しにここを訪ねてきたのは俺がこの世界に来てからだけでも、3回は越えている。最初に会った時もまたかと言っていたので、それ以前もしょっちゅう訪ねてきてたんだろう。

そんなの流石に嫌気がさすよなーと俺は苦笑いする。


「ひっ!ご、ごめんなさいぃ」
セブルスに怒鳴られてピーターは半泣き状態だ。うさみみもめちゃくちゃ垂れ下がってる…

「ちょっとセブルスその辺で…」
「は?」
「なま言ってすいませんでした」

怖ぇええええ…!セブルス超怖ぇえええ!般若だよ!あれ般若の顔だったよ!ピーターごめん。俺助けらんないや…


ご愁傷様っと手を合わせてピーターを見ると、ピーターは絶望だと言わんばかりの顔をした。いやまじごめん…流石にあのセブルスは止めらんねーわ…



そんな修羅場を横目で見つつ、俺は紅茶を啜った。(もうピーター助けるのは完全に諦めた)

すると、またギィと部屋の扉が開いた。






「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -