とりあえず一通り挨拶も終わり、一段落ついたことだし、俺は、双子を無視して食事を再開する事にした。途中、ほとんど首なしニックが来て、ハーマイオニーが屋敷しもべ妖精についてニックやロン達と言い争いをしていたが、俺は食事に没頭していたので聞き流しておいた。

最後のデザートを食べ終え、ダンブルドアが再び立ち上がると、大広間は一斉に静まり、皆がダンブルドアに注目した。


「さて!みんなはよく食べ、よく飲んだことじゃろう」
ダンブルドアは、いくつか知らせることがある、と言って、城内持ち込み禁止の品のことや今年はクィディッチを取りやめること(ハリーがショックで固まっていた)などの諸注意をした。

そして、その話を遮るかのように、耳をつんざく雷鳴とともに大広間の扉がバタンと開く。



「マッド-アイ、ムーディ……」
いや、バーティ・クラウチジュニアと言うべきか…

あいつが今回のキーになる人物だ。原作を読んで、ずっと思っていた事がある。アルバスは本当にマッド-アイが入れ替わった事に気付いていなかったのか、だ。
まあ、考えてもしょうがないんだけど。アルバスってやっぱ読めない人物だよなあ


マッド-アイを見ながらそんな事を考えていると、ふと目が合った気がした。

「気のせい、か?」


ダンブルドアがマッド-アイの説明をし、三大魔法学校対抗試合の話を始めると周囲は激しく盛り上がった。(17歳未満は無資格だという話の時は凄いブーイングが起きた)

「さてと、夜も更けた。明日からの授業に備えてゆっくり休み、はっきりした頭で臨むことが大切じゃと、皆そう思っておるじゃろうの。就寝!ほれほれ!」

ダンブルドアのかけ声とともに全校生徒が一斉に立ち上がりバタバタと大広間を出て行く。



「そういえば俺、部屋どうするんだろう」
ふとした疑問を呟くとカインが、ぽんと俺の肩に手を置いた。

「れんれんは俺と2人部屋だぞ」

ぐっと親指を立ててきたカイン。うわ…すげーイラつく。無表情なだけに余計イラつく。

「お前と、しかも2人…?」
「ああ。今まで1人で使っていたんだが、元々2人部屋だったしな」
「………まあ、いっか」

めんどくさい事になったなと思いつつも、ハリー達と一緒になるよりかは色々問題に巻き込まれないからまだましだと思うことにした。