最初は、ほんとにいつもの悪戯だったんだ。9と3/4番線の入り口に石を仕掛けた。もちろん、誰かが転ぶことを見越して、だ。

だって僕たちは悪戯仕掛人だから!


「「君、大丈夫かい?」」

早速、引っ掛かった少年は見覚えのない奴だった。

もちろん、ホグワーツの生徒全員を覚える事なんて皆無だけど、こんな奴がいたら気付かない訳がない。
それ程までに、その少年は、綺麗な顔立ちをしていたのだ。アジア系かな?少し幼く見えるけど、なんていうか透明感のある美しさ。ジョージも綺麗だと、感じていたみたいだった。



そしてその後、俺たちは驚愕することになった。
だって、こんなに綺麗な笑顔で

「……お前らも砕いてやろうか、おい?双子のウィーズリーさんよォ?」

こんなに恐ろしい言葉を吐くんだから。

思わず、僕たちは謝ってしまっていた。呪文で粉々にされたあの石みたいになりたくないし(あれは本気で殺る目をしていた)。



「笑いながらここまでキレる人ってなかなかいないよなフレッド…」
「ああ、しかも超美人だぜジョージ…」

僕たちが、小声で喋っているうちに、その少年はカートを直していた。


そして

「また、俺に手出したら、今度こそ“こう”なるからな?」

粉々になった石を指差して、にっこりと笑って僕たちの前を去って行った。引き止める暇もなく。



「なあ、ジョージ?」
「だよな、フレッド」


「「あの子、欲しいよね。」」


そういえば名前聞くの忘れてた。そうだな…うん。女王様(クイーン)とでも呼んでおこうか!


絶対僕たちのモノにしてみせるから、覚悟、しててよね?


“僕たちの女王様”


新しいおもちゃを見つけた時みたいに、僕たちは、にこにこと笑うのだった。





01の双子視点です。ちなみに、双子がにこにこと笑っている時、主人公には悪寒がしている事でしょう(笑)