キングス・クロス駅
今、俺はそこに1人で立っていた。


「ついに新学期の始まり、だな」

そう新学期!ついに俺は今日ホグワーツに編入する。まあ、ホグワーツが俺の現在の家だし別にそのまま、ホグワーツで待っていても良かったのだろうけど、やっぱり行ってみたいし


「9と3/4番線」


普通なら有り得ない。壁をすり抜けるとそこにはプラットフォームがあります、なんてね。


「よっし…行くか」

いざ、壁に向かってダッシュするとなると(まあ、ダッシュする必要はないんだけど)怖い。けど、意を決して俺は走った。

がっしゃああああん!

「…ってぇ…」

壁をすり抜けるのは確かに成功した。しかし俺の荷物その他もろもろを乗せたカート(と俺)は派手な音を立てて転んだ。

何故かって?入り口付近に石があってそれに引っかかったんだよ…!

あー痛い…何でこんなとこに石が…しかもデカい。絶対故意だろコレ。


「「君、大丈夫かい?」」

ユニゾンする声が聞こえて前を向くと、ニヤニヤ笑っている奴らがいた。


「同じ、かお…?」
ポカンと見つめていると、そいつらはにっこり笑って

「「僕たちは双子のウィーズリーさ!」」

そう答えた。


双子…ウィーズリー……赤毛……
そうか…こいつらがこの石を仕掛けたんだな……そうだよな。二代目悪戯仕掛人だもんな………でも。



にっこり、レンは笑った。それはもうとても綺麗な笑みで。双子も思わず息を呑むほど


「レダクト」

バァァン!
レンが笑顔でそう唱えると、凄い音を立てて石が砕け散った。


「……お前らも砕いてやろうか、おい?双子のウィーズリーさんよォ?」

「「(ほ、本気で殺られる…!)す、すみません!」」
その凄みに、双子も思わず謝った。



「笑いながらここまでキレる人ってなかなかいないよなフレッド…」
「ああ、しかも超美人だぜジョージ…」


何やら双子はコソコソと喋っているみたいだったが、もうどうでもいい。魔法でちゃちゃっとカートを直して、俺はホグワーツ特急に乗る。席無くなるし。


「また、俺に手出したら、今度こそ“こう”なるからな?」

粉々になった石を指差して、にっこりと笑い、改めてクギをさしてから俺はホグワーツ特急へと乗り込んだ。