植物園を出て、アルバスの部屋に向かう途中、黒っぽい人に出くわした。

セブルス・スネイプ、か

俺が覚えてる原作のイメージとしては、魔法薬学教師。いじめられっこ。不憫。本当は良い奴?と、このくらいだ。

魔法薬学教師かー、てかちょうど良くね?魔法薬学教師なら色々材料とか器具とか持ってるに決まってるじゃん!
しかも確かセブルスって頭良いよね!

とりあえず挨拶しとくか!

「…ご機嫌よう!」
「ふん」


えええ無視か!スルーですか!
ちらっと、俺の方を見たかと思うと、セブルス・スネイプは俺を無視しスタスタと歩きだした。

「ちょ、素通りはねーだろ」
「!?」

なんだよコノヤロウ
がしっとセブルスの腕を掴んでやる。こう見えても俺、力は強いからな。(どこぞの馬鹿兄貴の変な趣味から逃れる為に鍛えたおかげだ!)

「何のようだ、レン・ヒナタ」
「あれ?俺の事聞いてんじゃん!ならさ、俺の家庭教師になってよ」
「…………………はあ。」

長いため息の後、セブルス・スネイプは諦めたようだった。

「わかったから早く我が輩の腕を離さんか」

ちょ、生、我が輩…!こんな一人称のやついねーだろ。と思わずこみ上げてくる笑いをこらえながら「よろしく」と一言いう。

「(失礼な事を考えてる目だな)ただし、明日からだ!朝8時、我が輩の研究室にきなさい。」
「えー明日ー?ま、しょうがないか。じゃあ明日伺いますよっと」
「くれぐれも遅刻は厳禁だ。」



そんなこんなでセブルス・スネイプが俺の家庭教師になった。やっぱりセブルスは、原作通りで、からかいがいのある人物だった。良い暇つぶし見つけた!


セブルスは、何だかんだで一度引き受けた事を投げ出す奴じゃなかったし(途中他の教員でもいいだろうとは言ったけど)なんだかんだで仲良くなったと思う。
最初はセブルス、と名前や愛称で呼ぶと凄まじい抵抗をしてきたが、最近は諦めたようだった。(俺の事はまだヒナタって呼ぶけどな。)

けれど二週間ほどして、セブルスは用事があるとかで、家庭教師が出来なくなったみたいで、俺はまた暇な日々を送ることになった。
まあセブルスの指導あってか魔法薬学はほぼ完璧だろ!ってくらいにマスターしたので、次は魔法の実技でもしようかなと考えていたのだが


「そういえば俺、杖持ってないや」