とりあえず、初っ端の罵倒「皇国の犬」はスルーして挨拶と自己紹介をした。新門大隊長は、私のことが気に入らないのか面倒くさそうな顔をしている。
「あの、新門大隊長。ひとつお聞きしてもいいですか」
「……なんだ」
「なぜ私の研修を許可してくださったんですか?」
「そんなもん仕方なくに決まってんだろォが」
「若……」
ここの人達の口調は、たとえその気がなくても荒い気がする。まあこの人はその気もあると思うけど、カリムさんの口の悪さとはちょっと違う。
すごい言われようだけど、別にこの人にどう思われようが私は構わない。自分が信じている先輩でもないし。
「それでナナは最近第二世代能力に目覚めたんだってな?」
中隊長が気を遣って話題かえてくださった。この人はなんだか大変そうだな。
「はい。約二ヶ月前に突然目覚めました」
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太陽神に忠誠を誓う、皇国の人間の面倒なんざ例え一人でも俺は見たかねェ。
けど「第三世代の能力者が、突如第二世代に目覚め、二ヶ月経っても能力を扱いきれずに困ってるそうだ。若ならなんとかしてやれるんじゃねェか」ーーなんて紺炉のヤツが言うから仕方なくだ。
にしてもこの人形みてェな顔の第一の女、何考えてやがんのかが全く分からねェ。
「まぁいい。とりあえず表出て実力見せてみろ」
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