ーー新人研修の日はやってきた。
第一特殊消防隊 大聖堂前には第八の茉希・尾瀬、新羅・日下部、アーサー・ボイルと、第五のトオル・岸里、第二の武・能登が到着していた。
「これが聖陽オベリスクか…!想像以上にドでけェな…」
「登れるけどな」
「……」イラッ
「タリィなぁ…」
「僕なんかが神聖な第一に入っていいのかな…」
そこへ、薄茶色のミディアムストレートヘアに銀色の瞳をもつ小柄な女性がやってきた。
「こっ、こんにちは!(ス、スゴイ美人……人形みたい…)」
なぜか赤面しながら敬礼をするマキとシンラ。第五と第二の新人も"それ"に続いた。
「こんにちは、お疲れ様です。第一特殊消防隊小隊長のナナ・沚水です。皆さんの自己紹介は中でお願いします」
「……姫か!」
「ヤメロ!!(……もしかして中隊長が言ってたのはこの人か?数年前に訓練校を主席で卒業して第一に引き抜かれたってヤベー女の人ってのは。…まてよ。だとしたらこの人って………)」
「(敬礼…まぁいいか、外だし。それより……)姫ってなんですか?」
「あっ、な、なんでもないんです!すいません!」
アーサーの腹にマキの肘がクリティカルヒットした。
「グエッ…!」
「あ…なんかすいません?」
「いえ大丈夫です。いつものことなんで……(確かにスゲー美人だな。さすがエリート第一って感じた。…でもーー。)」
シンラがジッとナナを見つめていると、ナナはそれに気づき、見つめ返した。
「…では、ご案内します」
「(…あの人、今スゲー見てきたな)」
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