「新人研修……?第八からですか?」
あれからジョーカーと詐欺師…つまりヴィクトル・リヒトには会ってない。次会う時は二人の先輩から焔人を作っている犯人を見極めた時だと思っている。
もう裏社会に関わらない約束もカリムさんとしたし。ーーまぁ結局、犯人を突き止めれば関わっていうことになると思うけど、それだけは許してほしい。カリムさんは怒ると怖いから口が裂けても言えないけど。
「そうだナナ!懐かしいんじゃないか?」
「おいレッカ、ナナは新人研修には行ってねェぞ」
「あれっ、そうだったか?すまんナナ!うっかり忘れていた!」
「大丈夫です。その代わり先輩方に鍛えてもらいましたから」
そういえば自分が新人のときはたしか、先輩全員と組み手をやらされた。バーンズ大隊長には他所に行って見聞を広めるよりも力をつける方が大事だと言われたような気がする。
「そういえば来るのは全員男か…。ナナ!お前は俺が守るッ!!」
「男子といっても彼らはまだ未成年ですけどね…」
「関係ない!男は時に狼なんだぜ★」
「…ことわざですか?」
「ナナに余計なことを教えるなレッカ」
そういう無駄な知識はあとあと自分にも使ってくるかもしれない。カリムはこの時そう思っていた。
「せいっ!」
「トキニオオカミってどういう意味ですか?」
「それはな?男がーー「ヤメロ!!」」
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