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「お前も薄々勘付いてるだろうが、あの日お前の父親が焔人になったのは偶然なんかじゃねェ。ーーそういやお前はどこまで調べた?」

二人を隠していた煙は晴れ、男は吸い終わった煙草を吐き出し次の一本を取り出した。絶対にヘビースモーカーに違いない。

「焔人が人工的に作られてることまでは知ってるけど、それをやってるのが誰なのかまではまだ」

「大人しそうな顔して、未成年の頃から裏の世界に足を突っ込んだ上に、その住民共に口を割らせるとはいい度胸してるな」

未成年の頃から?

「…その頃から私を監視してたの?それとも裏の人間だから知ってるの?あなた皇国で手配中の人でしょ?何が目的なの?なんで私の家のこと知ってるの?なんでそれを教えてくれるの?なんで力をつけさせたの?」

本当は向かう予定だった現場の方から時折焼け焦げた臭いの風が吹いた。
先輩たちはどうしているだろう。
ーーいや、考えないようにしよう。

「ハッ、ったく質問の多い嬢ちゃんだな。
……まぁ無理もねェか、なにせここまでお預けにされてたんだもんな?」

「今すぐ全て教えて。じゃなきゃ、」

そっぽを向いて煙を吐き出していた男は、ゆっくりと顔をこちらに向け、不敵な笑みを浮かべた。

「ーーじゃなきゃなんだ?」

「私はあなたを殺すかもしれない」




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