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ーー ???の町


「そういえばさぁ、イーストシティのショウ・タッカーが殺されたって」

死体と血がそこら中に転がる中、醜い争いをまだ続ける者たちを眺める影が3つ。

「タッカー……ああ、綴命の錬金術師。いいんじゃないのべつに、あんな雑魚錬金術師」

「タッカーの事はいいんだけどさ、また例の"奴"なんだよね」

「イーストシティって言ったら、焔の大佐がいたかしら」

「そ。あと、氷のヤツ。ついでに、鋼のおチビさんも滞在中らしいよ」

「鋼の…私達の仕事のジャマしてくれたのは腹立つけど、死なせる訳にはいかないわね」

「大事な人柱だし」

ちょうど"何か"を食べ終えた、一際大きな影が声を上げた。

「ラスト〜〜ごちそうさまでした〜〜」

「ちゃんと口のまわりふきなさい、グラトニー」

「どこの誰だか知らないけど、予定外の事されちゃ困るのよね。わかったわ。この街もあらかたケリがついたし、そっちは私達が見ておきましょう――で、なんて言ったっけ。例の"奴"」

「傷の男(スカー)だってさ」

「ふうん。文字通り傷の男ってわけね。
ーー じゃあ私はもういくわ。エンヴィー、"氷の方"はお願いね。人柱候補であり、新たな可能性を提示するたった一つの生きた錬成陣なんだから」

ーー 男でも女でもない。
エンヴィーと呼ばれた者は口角を上げた。

「生きた錬成陣ーーねェ。自分で消しといて言うのもなんだけどさ、氷の子の先祖と家族、ほんっと欲望にまみれたゴミクズだよ。可愛い娘を"新たな可能性"の錬成陣にしてんだからさ。
ーーそれ考えると、氷の子にはこのエンヴィーに感謝すべきだと思うんだよね」

「感謝!感謝!」

「そうね、でも本人は感謝しないでしょうけど…。グラトニー、あなたもいくわよ」


ーー影は動き出す。

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