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テスト期間11-双子編


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「全っっ然わからへん!!」

「はなこ、これは?」

勉強会はもう何度遊びに来たかわからない、宮家にお邪魔してやる事になった。

侑は春高待っとけと、強気で啖呵をきった癖に開始五分で泣き言を言いはじめるし、治は真面目にやっていると見せかけて、分からないところはやり方ではなく答えを聞いてくる。
全くもって手に負えない双子に、当然自分の勉強を進めるヒマはない。

『それはbe動詞いらんねん。すでに動詞が入ってるから』

「説明ええから答え教えて」

答えだけを求める治。せっかく説明したのにと思いながら無視し、侑のノートにシャープペンを走らせるはなこ。

「なぁ」

「なにこの図?」

『これとこれの関係性。明日絶対出るから』

「教えろや」

「ほんな覚えとこ」

治がガン無視されているのが面白い侑はわざとらしくノートとはなこに顔を近づけ、説明をしっかり聞いている。

「言い方がアカンねんてサム。教えてもろとんねんから。はなこが教えたなるような言い方せな」

表情、言い方、はなことの距離 ーー
何もかもがわざとらしい、というか完全にわざとな侑を、アア"?の顔で治は睨んだかと思うと、シャープペンを置いて立ち上がり、机に向かうはなこの背後でヤンキー座りになると、はなこの耳元で「教エテヨ、はなこチャン!」と裏声で言い放つ。まるで人間の真似をするインコのように。

「www」『www』

治のソレに、余裕顔だった侑も、無視していたはずのはなこも思わず吹き出して大爆笑。

「や…ヤンキーインコやめろや……ッ…!」

はなこが振り返ると、いまだにヤンキー座りをした治が手だけはインコのようにパタパタと羽ばたかせているので『インコなん?ヤンキーなん?どっちなん?』と、笑い過ぎて涙目のはなこが問う。

「教えんかいやコラ。我なめとんちゃうぞ。俺を誰やと思とんや」

手を羽ばたかせるのをやめて、ヤンキー座りのまま、治が思うヤンキーをはなこに顔を近づけ、顎を出して真似ると、侑もヤンキー座りになって「おいコラお前こそ誰に手ェ出しとんじゃい。わしゃこの辺仕切っとる宮侑やぞコラ。なめとったらいわすぞ」…と、治を顎で牽制し始めた。顎で。

『ヤク(ザ)ツム顎出過ぎやろ。ヤクサム顔…アカンこれ傑作や』

笑い過ぎて痛いお腹を抱えながら、いまだに続く双子のヤ◯ザコントをスマホで撮り納めるはなこ。

まだやるんかなと思った頃、「ていうわけではよ教えて?」と治がコロッと態度を変えた。

『フフッ……はいはい』

「答えやで答え」

「アカン俺今のコントで全力使ってもた」

『お前の力はそんなものじゃないだろう!』

「サムなんの勉強しとん?」

『なぁ!ごめんて!はなこが悪かったから!無視せんといて!』


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