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聞いて2(一年生編)


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部活は大体部員の仲ええ連中プラス片割れの治で行く。クラスのホームルームが遅いか早いかで集まる教室も変わってくる。今日は銀の教室が一番遅い。
あんまり遅かったら置いて行くけど、今日は大丈夫そうやと銀のアイコンタクトを受け取った俺は、二人で行くんもアレやしと思って七志サン連れて銀を待つことにした。治と角名はもう行ったんか。

自分で言うんもなんやけど、
俺と片割れの治はこの学校に来て"からも"女子に人気や。ファンクラブみたいなんがあるんも知っとる。言うても喧しいだけの豚に興味はない。治は俺ほど毒舌でも辛辣でもないけど、そん中の女子には興味ないと思う。


「七志さんやん!なんで侑とおるん?」

「えーっ!仲良かったっけ?」

「ホンマや!付き合うとるん?」


銀を待つ間
女子に囲まれるんも、結果も出とらん大したことない見栄っ張りだけの運動部に絡まれるんも慣れとる。たまに愛想笑いしながらボケーっとしとったら、七志サンおるんを忘れとった。
普通の質問に聞こえるソレを発する女子どもは、明らかに七志サンに敵意丸出し。
そういえば七志サンそういうタイプちゃうよな。なんか見とって可哀想になってきたけど、親しいわけでもないし、どないするんかも気になるしでちょっと間知らんふりしとった。

『黒須先生に話あるから、連れてってもらうだけやで』

付き合うてへんよと付け加えて、そのまんまを答えた七志サン。全く恥ずかしそうな顔もしてへんし、逆に珍しいわ。
フーンて思てたら銀がダッシュで出てきた。

「スマン侑!行こか!」

「おう」

「えっ…誰!?…ってか七志サンやん!?」

…誰は失礼やろ。銀の顔よ。
でもまぁ、そうなるわな。俺が女子共の中から出だと思ったら、一人だけ女子連れて歩いとんやから。でもやっぱ知っとったんやな、七志サンのこと。

「マネージャーやて。連れてこいて北さんに頼まれてん。…ああ、さっきゴメンな」

一応さっきのことは謝っとく。
そういえば北さんとどういう関係なんか聞いてへんかったな。

『ううん、大丈夫』

「マジで!?七志サンマネージャーとか俺めっちゃテンション上がるわー!」

「七志サンて北さんと知り合いなん?」

横で嬉しさのあまり騒ぎ始めた銀を無視して俺は単刀直入に気になっとった質問を投げる。
…背低いな。髪サラサラやし。
とか、観察しながら。

『あ、うん。中学の先輩。』

「へー!北さんの後輩なんか!じゃあ、中学でもバレー部のマネージャーやっとった的な?」

『うん』

「余計テンション上がるなー!」

また騒ぎ出した銀。
でも、俺も内心まんざらでもなかった。マネージャーにしても、経験ある方が仕事できるやろうし、しかもどの部も男子も狙っとるウチの女子や。プロちゃうけど、マネージャーが賢いとか優秀なチームは強いいう話も聞いたことある。なによりそういうん勝ち取るんは気分ええ。



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