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音信不通の彼は何処
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〈おかけになった電話は…__________〉

折原への発信は、3回目も繋がらなかった。

『へんなの』

折原ははなこの電話にはすぐに出るし、例え出られなかったとしても折り返しの電話を必ず掛ける。それではなこが出なければメッセージを送っていた。

だからこそ、はなこは違和感を感じていた。
しかし電話もメールも通じない今、彼の現在地を知る手段がない。事務所にも足を運んだが、矢霧しかいなかったし、彼は戻ってきていないとのこと。

まあ彼のことだし、逆恨みとかで何かに巻き込まれているのかもしれない。でも、死ぬなんてことはまずない筈。しぶとそうだし……静に罪被せそうだしと、はなこは考える。

____________と、その時。はなこの携帯が鳴った。着信は目出井の関係者で、はなこの世話役だった人だ。

『…はい』

「お嬢、九条です。今、お時間大丈夫ですか?」

『うん、大丈夫。臨也先輩のこと何かわかった?』

「はい。まだ公には明かされてませんが、何者かに刺されたそうです」

『___________…誰に』

場所や時間なんてどうでもいい。誰がやったのか。はなこはそれだけが気にかかった。
そして彼女は今、自分が恐ろしく冷たい顔をしていることに気がついていない。

「わかりません。しかし通行人の話だと、騒ぎも何もない場所で急に倒れたらしいですよ。相当手慣れたヤツの可能性が高いです。…まあ、あの折原ですから狙われるのも無理ないかと」

『そう。犯人がわかったらまた教えて』

「了解」


__________________私は、ほんの少しの動揺と、怒りを胸に無表情で帰路に着いた。


『刺したの、誰なんだろ』

そう
呟いたのも気づかないくらいに。


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