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プレゼント・マイクの呼び出し
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「あっ…おはよう結さん」

「おお!おはよう結くん!」

「はなこちゃーんおはよう〜!」

週明けの朝。期末を控えた雄英の生徒たちはどことなくピリピリしている気がする。

少し早めに登校すると、玄関前でクラスメイトの緑谷出久と飯田天哉、麗日お茶子にばったり出会った。そういえば、ロボットのように腕を直角に曲げて挨拶する飯田はクラスの委員長だったはず。元々は緑谷だったのを本人の意思で飯田に譲ったと、転入二日目くらいで瀬呂と切島から聞いた。

『おはようお茶子ちゃん。2人は緑谷くんと飯田くん…で合ってる?』

「ああ!改めて自己紹介しよう!委員長の飯田天哉だ。何か困ったことがあればいつでも言ってくれ」

『ありがとう。飯田くんは優しんだね』

差し出された手を握り返しながらそう言うと、飯田は委員長として当然のことだと誇らしげな顔で言った。

「自己紹介…そういえば相澤先生にはぶかれちゃったもんね。あっ…僕、緑谷出久。その…僕も…こ、困ったこととか…分からないことがあったらなんでも言ってね!?」

『うん、ありがとう』

なにせ転入生こと結はなこはその端麗な容姿から転入二日で学年中で話題になっているくらいだ。相手が女子ということもあるが、そんな噂も合わせて緑谷は緊張…というか若干パニックに陥る。

「はなこちゃんは苗字も名前みたいやね」

『よく言われる。だから下の名前で呼ばれる方が好きかも』

「だそうですよ飯田くん、デクくん。これはみんなにも言わなあかんね!女子はみんなはなこちゃんて呼んどるけど」

「よし、はなこくんだな!」

「え…あっ…えっと………」

________…この感じ。
緑谷は蛙吹梅雨に梅雨ちゃんと呼んでと言われた時を思い出す。たかが女子を名前呼びするだけの事だが、緑谷にとっては難易度が高すぎる。

「よ…よろしくはなこちゃん」

『うん』

先週よりもさらに距離感が近くなったことを感じながら、4人は教室へと足を進めようとした。…と、その時だった。「HEY!!Goooodmorning!そこのリスナー!」とノリの良いハイテンションな声が玄関に響いた。

4人が振り返るとそこには英語の教科担任を務めているプロヒーローのプレゼント・マイクがいた。

「おはようございます!!!」

「先生!?僕たちになにかご用…ですか?」

「Ya!つっても俺が用があんのはそっちのリスナー、結はなこチャンだ」

プレゼント・マイクはテンポよくはなこを指差す。私?と自分を指差したはなこに、プレゼント・マイクはYeahと短く返事をした。

「つーわけで緑谷 飯田 麗日。ちょっと借りるぜ」

『(…この先生に呼ばれる理由が見当たらない)』

「やらかしたんかはなこちゃん!?」

『やらかしてません』



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