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ルール説明!
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「改めて転入生!自己紹介いってみようか!」

1-Aヒーロー基礎学の授業中に突如現れた転入生は運動場の隅の水道で鼻血をきれいに落として、再びクラスメイトの前に立つ。
※ちなみに、可愛らしく大人しそうな見た目からは想像もできない強烈なキャラかもしれないという印象がすでに与えられている。

『本当は朝到着する予定だったんですが新幹線が遅れてしまって…関西から来ました、結はなこです。苗字のユイは漢字の結と書きます。…よろしくお願いします』

「ウホーッ!可愛い系だ可愛い系」

「よろしく〜!!」

「よろしくお願いいたしますわ」

丁寧な自己紹介に盛り上がるクラスメイト。
しかしそんな中、轟焦凍だけはジッと観察するようにはなこを見ていた。その苗字に聞き覚えがあったからだ。

「(関西の結………)」

自己紹介を終えたはなこの肩に、ポンとオールマイトは手を置いた。

「そんじゃまぁ、せっかく走って来てくれたわけだし君もこの授業でなにかやってみるかい?」

『やれとおっしゃるならやります』

実践授業ということで、鼻血を洗いにいったついでに更衣室でコスチュームに着替えてきたはなこ。といっても上鳴や耳郎と似たタイプで、半袖のカッターシャツに黒いサルエルパンツ。そして黒い手袋とかなり私服に近い。
…故に、過度な露出や身体のラインがしっかりとわかるコスチュームを期待していたほんの数人の男子達はそれを遠い目で見ていた。

「オーケー!今やっていたのは救助訓練レースだ。でも、さすがに転入初日で会ったばかりのクラスメイトとレースさせるのは酷だと思うから…………いっちょ私とバトってみない?勿論ハンデというかルールは決める」

オールマイトの提案に、エエー!?と
言われた本人よりもクラスメイトの方が驚いている。むしろレースよりも酷だと思うのが当然だろう。

1-Aに転入してきた結はなこ。
転入試験前からはなこのデータは雄英の全教師に渡っている。これはそれ故の提案でもあった。

『やれとおっしゃるならやりますよ』

先も言っていたセリフ。この断る様子が微塵もない、どんな時どんな事を言われても全てを受け入れているかのような穏やかな顔はどこか育ちの良さを感じさせる。

「いい返事だ!」

「ちょっと待って下さい先生。結さんがどのような個性を扱われるのかを知った上で提案されたのは分かりますが……女子生徒一人とオールマイト先生がバトルなんて…!」

そこで手を挙げ反対意見を述べたのは、ポニーテールと露出の多いコスチュームが特徴的な1-Aの副委員長、八百万百。他のクラスメイト数人もそれに続いて、せめて援護を付けるべきだとか、それこそチーム戦にしようと騒がしくなる。確かに八百万の意見は最もだし、まず1年生は対教師バトル訓練自体行ったことがない。

「そのためのルールさ八百万少女。
ルールは簡単。私か結少女、互いの肩にどちらかの手が触れた時点で勝利だ。つまり両方鬼のW鬼ごっこと考えてもらえればいい。勿論個性は無理のない程度で自由に使ってくれたまえ」

『わかりました』

クラスの大半が心配そうに見つめる中、はなこは淡々と笑顔でオールマイトに返事をする。
彼女がどんな個性を持っているのかが気になっている者も多い。これだけ淡々と答えているはなこはそれだけの自信があるのか、否 天然なのかまだわからない。


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