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強烈な転入生!
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そして、その日の午後。

__________雄英高1-A、ヒーロー基礎学。
結はなこは絶賛走っていた。
階段を踏み外して顔面を強打→鼻血というコミックさながらの流れならばすでになぞった。はなこちゃんはしっかり者だなんて前の学校のクラスメイトには言われていたけど、それが本当かどうかは…。


数分前、つまり昼休みの終わり頃に雄英に到着したはなこは職員室にて、今日から自分が転入するクラスこと1-Aの担任相澤消太に学校関連の大まかな説明を受けた。

…まではよかったのだが、彼は恐らく鬼だ。
士傑にいて、さらには雄英に来たのだから転入生扱いはしないとのことらしく、校内の案内地図を渡され、いきなり授業に飛び入り参加するよう言われたのだ。
ヒーローを志す者に待った無し。
どこの学校も同じだなと思いながら、そしてまだ止まらぬ鼻血を拭きながら、はなこは運動場γへ向かった。






【 運動場γ 】

1-Aの午後最初の授業はヒーロー基礎学。
担任はNo.1ヒーローオールマイト。職業体験の後ということで、少し遊びの要素を含んだ救助訓練レースが行われていた。勿論、転入生が来ることは教師であるオールマイトを省く誰一人として知らない。

「…来たな」

ちょうどクラス全員のレースが終わった時だ。
運動場入り口に気配を感じたオールマイトは口角を上げる。オールマイトのすぐ横にいた緑谷と飯田、麗日は、オールマイトのセリフでその視線の方を見た。それにつられて他のクラスメイトたちも入り口に目をやる。

入り口から歩いてやって来るのは、この学校の女子用制服を着た見知らぬ少女。灰色のショートヘアに小柄な身体、細い脚。そして左腕から手首にかけて巻かれた包帯。それがこの距離から見える少女の表面的な情報だ。

オールマイトはニィと笑う。

「本当は相澤先生が紹介すべき人物なのだが……彼女は君たちの新しいクラスメイトだ」

「えええっ!!!?て、転入生!?お、おんなァ〜〜!!!」

「てか、なんで今このタイミング!?授業中じゃん?…けどまぁこれが結果オーライというやつか…」

こちらへ不安げに歩いてやって来る女子に、峰田は大興奮。その隣の上鳴も右に同じ。転校生→女子→GOOD!らしい。

担任の相澤先生はそんな話を一言もしていなかったとか、なんか鼻血でてないかとか、可愛い系だとか、またもや合理的虚偽に騙されたとか…、とにかく1-Aは転入生の登場により先のレースよりも盛り上がっている。

「むっ?転入生、鼻血が…でているぞ!尋常じゃない量だが!?」

ようやく転入生の姿がしっかりと見える距離になった時、転入生の包帯と顔に血が付いているのがわかった。

『担任の先生に授業に間に合うようにと言われて走ったら階段から落ちましたはじめまして』

「「スゲェ顔でサラっと挨拶した!!」」

乾いた鼻血が鼻の下と口周りにこびりついた顔で、流れの中でサラリと挨拶をした転入生ことはなこ。間違いなく強烈な印象を与えた。

「とりあえず鼻血をふきたまえ…」



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