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嫌な予感の影響!
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木刀を長十郎の首元に向けたその時だった。
「……何か恐れているね」
『…………!』
________…焦り、驚き。
その一瞬で長十郎ははなこの木刀を巻き上げ、
今度ははなこの首元に木刀を突き付けた。
「いつも言っていますが、迷いや恐れがあっては斬れませ…………」
偶然だろうか。
彼女は恐らく無意識的に、首元にある傷を抑えて
長十郎の話を聞いていた。
弟子の真剣な態度に見えるが、
長十郎にはその目に恐れがあるように見えた。
何かあの事件に関連する事が
木の葉であったのだろうか。
「…はなこ。せっかくはるばる来てくれたんです。今日はいきなり稽古ではなく、早めに夕飯に出掛けましょう」
水に膝をつき、はなこに手を差し伸べる長十郎。
その手に己の手を重ねるはなこ。
…しかし、手と手が重なった瞬間
長十郎の指先から手首まで凍りつく。
咄嗟に手を引っ込めたはなこ。
自分が怖くなった。こんな風になったことは
未だこの力を使い余していた頃以来だからだ。
「(やはり何かあったのか…。はなこがこんな風になったことなんて今まで一度もない)」
『……先生…ごめんなさい!』
咄嗟に我に戻ったはなこは解の印を結ぶ。
長十郎の手は勿論、周囲の氷が一瞬で溶けた。
「大丈夫です。さぁ、出掛けましょう。そこでゆっくり話を聞きますから」
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