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長十郎!
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アカデミーの修学旅行生らは
案内人のかぐらと元水影の照美メイに連れられて
現水影の長十郎の元へ通された。

長十郎の話が終わると、生徒達は水影室を退室した。


「________…待って、かぐら」


最後尾にいたかぐらを長十郎が止める。


「まだ…試しを受ける気にはならないかな。さっきの話…僕は、君こそが木の葉の彼らと共に未来を築いていってほしいと思い、話しました。僕はいずれ、"アレ"を君に返したい。」

「………。
…俺に里の舵取りは務まりません。
…彼らを案内しないといけないので、失礼します。…それと、はなこを呼んできます」


一礼して退室したかぐら。
「……はぁ」と長十郎はため息。

だが少しの間の後、おそらく彼女のものであろう
足音が聞こえたので、長十郎は
出迎えるために入口へと歩いた。


『長十郎先生』


亜麻色の髪に黄金色の瞳。
父親と同じ髪の色をした上着の袖が長く
立たせた襟で首元を隠している理由は
長十郎もよく知っている。

愛弟子、はたけはなこ。
______________やはり彼女だった。


「久し振りですねはなこ。元気にしていましたか」

『…先生!』


こんなに嬉しそうな彼女を見たことがある者は
父親や、今はなこに抱きつかれている長十郎くらいだ。

あとは皆【消えてしまった。】


「…良かった。」

『あ、これお土産です。』

「いつも気を使わなくていいと言っているのに…。ん?なんですか?これは」

『私が作ったお菓子です。木の葉のお土産はもう、食べ尽くしたんじゃないかと思って』

「これは嬉しいですね…。ありがとう」


はなこは薄紫色の風呂敷を渡すと、
嬉しそうに、そして少し照れくさそうに
後ろで手を組んで笑う。

長十郎はそんなはなこの頭を撫ぜた。


「お返しに今夜の夕食は一緒にどうですか」

『本当ですか?やったっ』

「(…本当に昔からこの子の笑顔は癒されるなぁ…)」





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