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悪魔に心を売るように
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____________地面に倒れたことも、
こんなに血を流したこともない。

ああなんでこうなったんだろう。
突然現れて知った風なことを言う知らない忍くらい
簡単に殺せると思ったのに。


「遊びは終いだ。首輪を嵌めてやる」


闘い方を知らないだけではなこは
マダラの期待を良い意味で裏切る
莫大な力を持っていた。

煙たがられる原因になった溶けぬ氷は
動きは勿論、範囲も自在。
マダラでなければ捕らえられなかっただろう。

『………』

気づいた頃には一族の集落は氷漬で、
橙色の仮面をした男の命令に必然的に従っていた。


『は……はぁ………い…た』

「俺の勝ちだ。言った通り俺と来い。」

『……はぁ…勝ちたかった……負けた事…ない、のに』

「お前は闘い方を知らないわりにはやる方だが、俺には勝てん」


男は装束が所々破けているだけで
はなこの様に大きな損傷はない。

地面に倒れ、荒い息を繰り返すはなこの側に
男は余裕げにしゃがんだ。


「俺が闘い方を教えてやる。」

『なんの……た(めに)……』


遠のく意識________…声も出ない。
この男はなんなんだ。そう思いながらも
瞼が閉じてゆく。


「無論、俺の計画にお前の力が必要だからだ」

『……私の………ほ…しいもの……知らない________くせ…に』


嗚呼、もう限界だ。







「________…知っているさ」


男は意識が途切れたはなこを肩に担ぐ。


「お前が欲しいモノは…自分を必要とする人間と居場所だろう。」



________最悪な出会いだったのに
離れたり反抗したりすることはあっても
私という人間は得体のしれない仮面の男と
行動を_______否、目的、意志全てを共にしている。


「俺と来ればお前の欲しいものは全て手に入る」


彼といる方が危険で、一族どころか
世界を敵に回す事になるだろうに、
それでも私は良かった。


「俺が与えてやる」


彼の隣は心地が良い。
そう、まるで悪魔に心でも売ったかのように。




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