ハローハロー。

あれから月日はジェット機のようなスピードで流れ、時は生前の令和を200年ほど過ぎましてございます。
年号は……今は何だったかな?いやはやこれだけ生きてるとそんな人間が作った細かいことはどうでもよくなってくるもんで、かろうじて平成と令和になった頃は生前に追いついた!という衝撃で覚えてるのだが。

あと娯楽が充実してて楽しかった。
懐かしさのあまり人間に混じっておもちゃ屋の開店待ち行列に並んだのはいい思い出だ。
ポケットなモンスターはいいぞ。

さてそんな私、退治されることもなく妖怪としても力をつけかなり古参になって参りまして、いつのまにかクロハなんてステキな名前で呼ばれてたりする。
名付け親誰かな!?

そして同じく生き残った古参の妖怪に若い妖怪、新しく生まれた新参の怪異たちも加えて面白おかしく生きていた。

しかし現世の闇も薄れてちょっと過ごしにくくなってきたなと感じた頃。

はい、人間がやらかしました!

なんでタイムマシンなんて作っちゃったかな!?
案の定、歴史修正主義者なんぞ名乗る時間犯罪者が出没しててんやわんやのグッチャグチャ。

歴史改変してやんぜ!と織田信長生かしてみたり京の都をムカ着火ファイヤー(物理)してるらしい。

まあ私は生まれが人間にあまり影響されていないから無問題だ。
他の妖怪たちもあまり気にしていない。

それでも時間遡行技術のことを聞いた時は、ドーハの悲劇並みに日本全土がため息に溢れた。
やっちまったな、っていう。

あれは信長が天下統一するかどうかで八塩折酒を賭けて負けた妖怪たちのため息を上回った。

ちなみに八塩折酒とはあのヤマタノオロチを酩酊させたヤベェ伝説を持つがとても美味い酒である。

私は結果を知っていたのでほぼ反則だが負ける方に賭けてしっかり味わわせてもらった。

いやー敗者の羨望の眼差しを受けて飲む酒は旨い!

それから私たち無関係な妖怪怪異たちはちょこちょこ人間にちょっかいかけたり仲良くなったり捕食したり相変わらずで過ごしていた。

え?捕食?するよそりゃ。
人間だって牛や豚や鳥食べるだろ?
ううん…捕食に抵抗が無くなってるあたり私は中身も妖怪になったらしいと改めて思う。
気付いた時にはこうだったし誤魔化しようもなく妖怪であるので気にしてないが。
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