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「ハーッハッハッハ!良い気味だ!そこでず〜っとイジイジいじけているが良い!たかだか女如きに振り回されおって、色男も惨めなものだな〜。」
距離がありすぎてボリスの銃口の標準が定まらないのを良い事に、良い人を演じていたナイトメアの本性が表に出る。やっぱり慰めるより、貶した方が性に合っているナイトメアだった。
もっと惨めな言葉を掛けてやろうかと下を覗くと、


ガッシャンッッ!!


ナイトメアがビクッと一回り縮こまった。
何時の間に完成していたのか。
この前までは想像上でも試作段階で、メチャクチャに入り組んだ装置だったのに。
「夢の中だからって、俺の銃の腕前を忘れられちゃあ困るよな〜。」
ボリスが、見た事も聞いた事も無い重厚な武器を肩に装着している。
メガトン級のキャノン砲にやたらめったらゴツい装置が施されていて、銃口が有り得ない位大きい。
ボリスの視線の先にカチャと照準器が現れ、その中央線のど真ん中にはナイトメアの額を映した。
その場でカチンと固まったナイトメアの遥か下では、キャノン砲に光の粒子が集まり出している。中に詰め込むのは銃弾ではないのか。
―――こっこれはマズイっっ
すぐさま高速で逃げ出すナイトメア。しかし
「行動が遅いんだよ。」
ボリスの構えた巨悪な兵器が一気に光を吸い込んで、爆撃音を伴い大量の光線を発射させた。しかし、夢の中では一枚上手のナイトメアが、さらに超高速で右に方向転換した。が、
(なに?!?!)
光の軌道も右に逸れた。ボリスの顔が武器の完成度にシタリ顔に変わる。
「追撃機能等聞いて無いぞ!!!!!」
さすがは改造マニアが夢の中で構想を練って編み出した産物。銃の腕前なんて関係無いじゃないかと、突っ込みを入れている場合ではない。「下らない物を作るな!!!」と叫びながら逃げ惑うナイトメアに、危険な光線がどんどん距離を詰めてくる。





空気がカラッと澄み渡った空間に、ナイトメアの断末魔の叫び声が響き渡った。









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bkm


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