08
「証拠は上がってんのよ?正直に白状したら悪い様にはしないわ。」
首元まで捕まれたナイトメアは、フッとアリスから視線を外す。
(何でこう、夢の中ってだけで、突然強く出て来られるのか。これだから女の夢というのは・・・。)
「は?今悪口言わなかった?しっかり聞こえているんだからね。」
夢魔でもないアリスに心の中を読まれたナイトメアは、見るからに慌てふためいた。
「い、言ってはいないぞ!ちょっと思っただけだ―――あっ・・・」
「二度目は無いって、聞いてなかった?」
既に臨戦態勢のアリスに、観客達が熱狂的な声を張り上げる。ナイトメアが途端にアリスからズサササと距離を開けた。
「戦うのなら正々堂々が基本だろう!上から下まで武装した君と丸腰の私では、落差があり過ぎるではないか!!」
「何言ってんのよ。その手に握っている物は何?」
「え?!」っと自分の手を見ると、そこにはグローブが・・・・いや、詳しくはグローブ型の玩具のピコピコハンマーがナイトメアの手に収まっていた。
「君は・・・・もしかしたら私よりも夢で具現化するのが上手いのではないか。本当に余所者か?実は世界に選ばれし極秘の役持ちだったりしないのか。」
自分だけ玩具か!と不平を言う前に、アリスのこの世界の馴れっぷりに惚れ惚れと感嘆の声を上げてしまった。すると、


Ready Fight!!



と、何処からともなく、ゲームスタートの声が夢の中に轟いた。
戦闘開始の合図に、周りのボルテージも一気に高まる。
「覚悟してなさい?」
可愛いアリスは、似つかわしくも無くファイティングポーズを取った。
それを見たナイトメアは、ピコピコハンマーの柄を両手でギュッと握り締めた。



―――にっ逃げられないっっ!!



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bkm


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