03
ずっとだんまりのナイトメアに痺れを切らして、ゴーランドがピシャンっと自分の腿を軽快に打ち、スクッと立ち上がった。
「よし分かった!それじゃあ特別の特別な?お前にだけこの前出来たばっかりの新曲を聞かせてやろうじゃねぇの!」


―――げ・・・・・・っっっ!!!!


ナイトメアが返す言葉を失っている間に、辺りを行進していた玩具の鼓笛隊がゴーランドの後ろに素早く並び直し、一斉に楽器を構えた。
何を隠そう、このゴーランド。
無類の音楽好きにして、壊滅的な音楽音痴でもあった。
「やめろやめろやめろやめろ!いいから!!いっ今はそんな気分ではないのだっ!!お前達も早く楽器をしまえ!!!」
パニックになって一人の可愛い兵隊の楽器を無理やり取り上げようとすると、その兵隊からさも面倒臭そうに手を払われた。
小さな玩具にすら力が及ばない、男気溢れる男性ホルモンを持つナイトメア。
兵隊達のチューニングが始まった。その破壊力は何たるものか。
音楽音痴のゴーランドが夢の中で設えた鼓笛隊。それは作り主に類を違わず一体一体が音楽音痴だ。
「さあ始めるか〜!」
一番の攻撃力を誇るゴーランドの掛け声で、悪夢の時が始まった。






―――――ぎゃああああああああっっっ!!!!!!






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bkm


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