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それを聞いて、ナイトメアがニヤリと笑った。
「教えてやらなくもないが・・・・条件がある。巷で噂になっている、遊園地のゴールドフリーパスポート10枚。それと交換だ。」
ゴーランドが「はあ〜?」と大口を開けて表情を歪める。
通常に扱いがあるパスとは違って、ゴールドパスは知る人ぞ知る、幻の招待券だ。
一般客では見つけられない秘密の扉があり、その奥には人生一度は経験してみたい贅の限りを尽くした魅惑的な世界が広がっているとか、いないとか。
闇市にまで売買がなされるチケットの全権を握っているのが、ナイトメアの前に座るこの男だ。
一枚一枚に特別なシリアルナンバーが印字されているので、こればかりはナイトメアでもどうにも出来ない。
「別に良いけどよぉ。お前がそんなん持っていたって、現状じゃ遊園地には来れねぇだろ?意味あんのか。」
「フッ馬鹿め、チョビ髭。絵で描くと3本髭め。使い道なら腐る程ある。」
それをチラつかせて有利に立つとか、欲しい情報を手に入れるとか。ナイトメアが頭の中で誰に見せびらかすか考えていると、ゴーランドが引っ掛かったのはそこではなかった。
「髭、髭って、この大人のかっちょ良さが分っかんねぇかね〜。お前の方こそどうなの?そのツルツルお肌。もしかしてっ!下も生えてねぇんじゃねぇのか?!」
急に馬鹿にしに掛かってきたゴーランドに、ナイトメアが憤慨する。
「なぬぃを〜!!!私の男気溢れる男性ホルモンを舐めるなよ!!密林のジャングルの如くボーボーだ!!!」
「言ったな?じゃ、お前脱いでみろよ。俺が判定してやっから。口から出まかせだったら、役持ち全員に言い触らしてやっからな?」
ナイトメアで遊びにかかったゴーランドに、ナイトメアが完全にブチ切れる。しかし、ここで切れる時点でジャングルは嘘だ。
「私が密林って言ったら密林なのだ!かっ確認などいらん!!あまりしつこいとセクハラで訴えるからな!!!」
「ブッ!お、お前っ役持ちなのに、何処に訴えんだ?女王にか??そんなんしたら、バカ笑いされて世界中にお触れ出されちゃうぜ?全世界に向けた公開処刑じゃねぇか。はっずかし〜。」
ゲラゲラ笑うゴーランドに、ナイトメアの頭が噴火した。
「もう、絶対に、教えてやらん。」
「あ。」とゴーランドが笑うのをピタッと止める。
「悪かった!悪かったって〜。マジで教えて?うん、よし!ジャングルで許可する!!」
「お前の許可等いるかっ!!ずぇったいに喋らん!」
頭からポッポーと蒸気を吹き出すナイトメアに、ゴーランドが「しょうがねぇな〜」と頭を掻く。
「そうだな、んじゃあ、フリーパスポート一枚につきメインキャラクターのグリーティング優待券も付けてやるよ!これでどうた!!」
臍を曲げたナイトメアが、その言葉でグラッと揺らぐ。
本当は願ってもない大盤振る舞いなのだがしかし、ここで更なる欲を出してしまった。
(もう少し・・・ねばってみるか・・・?)
いつでも気前の良いこの男の事だ。そして相手が知りたくて堪らない情報をこっちが握っている。叩けばもう少し出てくるかも・・・。
そう思ったのがナイトメアの運の尽きだった。


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bkm


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