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「あ、そう言えばナイトメアさんに聞きたい事があったんです!この前お城でアリスがガラスの小瓶を見せてくれたのですが、私が持っているのと全く同じ物だったんです。アリスのは半分以上も中身が溜まっていて。自然に嵩が増すってアリスは言っていたのですけれど、私の瓶には一滴も入っていなくて。穴でも開いているのでしょうか?」
パロマは取りだした小瓶を上に掲げて、片目を瞑って下から見上げてみる。その行為をナイトメアはこめかみをピクピクとさせながら見ていた。
ひび割れなんて、いくら探したって見つかりはしまい。
そうそう簡単に壊れる代物では無い。
(それは、君の、悪どい上司が、君が全幅の信頼を寄せているのを知りながら、君の知らぬ間に勝手に中身を捨てさせているからだ!!!何故そこに気付けないのだ!!!!)
とは、すべてナイトメアの心の中だけの叫び声だ。
ナイトメアとて自分の命が惜しい。
ここまで用意周到に囲いに掛っているのならば、あの男は本気だ。いや、ナイトメアでさえあの悪に染まった男の『本気』等見たことがないから、何処までパロマに入れ込んでいるのか計り知れないが、目下のところ手放す気が無いのは明らかだ。
ジワリジワリと外堀を埋めて、逃げ場を奪っている。
この世界の者なら誰しも、生まれ出でると共に時の束縛という足枷を嵌められる。
それが無く、自由に羽ばたけるのが余所者の印。好きな時に好きな場所へ自由気ままに。しかしその優遇された特権でさえ、パロマは知らない。知らないのだ。
教えてやるのは至極簡単だ。
口に出せば良いのだ。
しかし、ナイトメアには、それが出来ない。
(言ったらどうなるっ。すべてを知ったこの女が変わらず奴隷身分でいられるかどうか。いや、無理だ。何か仕出かそうとするに違いないっ!)
アリスに対するこの女の行動力を加味すれば、すぐに想像がつく。恐らく即決で行動を起こす。色々考えていそうで、その実行き当たりばったりの無計画さが露見する。口は固そうだが、言葉巧みに誘導されたら何でも暴露しそうだ。
つまり、パロマを介して、我が身の危機にまで発展し兼ねない。
下手な事をパロマにバラそうものなら、闇の組織からどんな仕返しが待ち構えているのか、想像すら恐ろしい。
「・・・ど、どうしてなのだろうな〜。その内溜まるのではないか?」
一芝居打ったナイトメアはこれで
―――共犯者だ。
「だから安易に大物を動かすなと言ったのだ!自分で自分の首を絞めおって!!私はも〜知らないからなっ!!」
そう大声で叫ぶと、今度は彼までもがテーブルにうっ潰した。ナイトメアのご機嫌が急変して、何も知らないパロマは驚き戸惑う。
「どっどうしたんですか?!私が何かしましたでしょうか?」
(やり過ぎだ!と言うかやられ過ぎだ!!)
ナイトメアには、鳥かごに入れられた白い鳩が悪人面のブラッドによって、一本一本羽根をむしり取られる様子がありありと思い浮かぶ。
「何も出来ないパロマが悪い!羽根を全部毟られ蒸し鳥にさせられ美味しく食べられても、私は責任持てないからな!!」
ななな何の脅しなんですかぁ!!とパロマの悲鳴が夢の中で響き渡った。

                       
HAPPY END?

             
 OR BAD END?

         
・・SO NEVERE END…







THANK YOU FOR READING!!



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