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パロマの前方では双子とエースが激しい斬り合いが続き、後方ではペーターとエリオットの銃撃合戦が絶えず繰り広げられていた。6体の甲冑は腹に大穴が開いたり、足が崩れて隣の甲冑に崩れかかったりと、見るも無残な大惨事だ。
パロマは小さく縮こまって、自分の背負った丸い盾に身を隠している。遠くから見れば、大乱闘のど真ん中に亀がいると思うだろう。
その盾に、たまに銃弾が掠める衝撃が走る。
それに加えて、鋭利な物がぶつかる音もする。
それは主に入り口付近から自棄に飛んでくる。
恐らく眠りから覚めた兵士達が、この異常事態に集まってきたは良いが、その内部の凄まじさに出入り口から一歩が踏み出せず、大勢がその場で立ち往生しているのだろう。
遠くでビバルディの「何処に当てておる!しっかり狙わぬか!!」という激しいの叫び声も聞こえるので、自分を標的にして、その兵士達に銃弾やら小刀やらをぶつけさせているに違いない。




パロマはこの時程、ナイトメアに感謝した事はない。




刀はインチキだったが、盾は本物で良かった。




そして、簡単には壊されない、しっかりした造りで本当に、本当に良かった。




願わくば、自分の存在を完っ璧に忘れてしまった方達の、銃や斧や剣の威力に負けて、割れたりしませんように。


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bkm


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