06
「こいつは我が帽子屋屋敷領土で、建造物等損壊罪及び傷害罪を引き起こし、そしてすべてが有耶無耶のまま逃亡を謀った大悪党だ。さらに言えば巨額の借金を抱えた私の専属奴隷、泣こうが喚こうが死ぬ瞬間まで甚振る権利は私にある。それが分かったら、むやみやたらと触るなそこの猫!」

ボリスに向かってビシッと言い切る。
その言葉は大きな刃となって、パロマの繊細なハートに直撃。






(ボスが一番ひどい事言っている気がする・・・助けに来てくれたんじゃなかったのぉぉ)





身から出た錆とは言え、傷口に塩を塗り込む様な会話に、パロマはついていけなくなった。


ザザザッ!!
急にパロマの視界に飛び込む赤と青の帽子。
「えっ?!」
驚いて顔を上げると、そこには、
地面に背中を打ち付けた双子が、勢い余って後方に飛ばされていた。
「ディーっ!ダム!!」
「チッくっそう・・・っ!」
「エセ騎士のくせに!腕鈍ってないねっ」
顔をグイッと拭う二人の視線の先には、膝をついた二人とは対極に悠然と立つエースが。
剣を背中に回して、軽〜く伸びをしていた。
如何に年の差があろうともあの大斧を使いこなすディーとダムを、こともあろうか二人纏めて相手しているというのに、形勢はエースが押している。
エースは悔しそうな二人を一瞥し、それからパロマに向かってニッコリと微笑む。


「みんな可笑しなこと言っているね。この子はユリウスの新妻さんだよ?甲斐甲斐しくお世話しちゃってさ、今度ウエディングドレス姿を見せて貰うって約束をしたし。ね?」






―――それを今言っちゃう!?この、タイミングで?!?!?!









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bkm


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